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差別という名のスケープゴート

今日は二話更新しています。これは二話目です。

 



 学園に入って数ヶ月たった。


 今ではすっかり生活リズムが完成し、だいぶ寮生活にも慣れてきた。




 この学園の授業は、国語 算数(数学) 社会(地理、歴史) 魔法 武術の5科目だけだ。

 なので、大体2時か3時には授業が終わってしまう。寮の門限は夜の8時なのでそれまでの間は自由時間だ。


 勉強するもよし、武術の訓練をするもよし、待ちに出かけて買い物をするもよしと基本的に何でもありである。



 俺はその時間何をしているかというと、ロッカスと一緒にピーターのしごきを受けたり、魔法の基礎訓練をしたり、ジロやフレデリクと一緒にどこかへ出かけたりしている。




 学校の成績の方はどうなんだって? 


 ついこの間、前期中間テストが終わって途中成績が出たところだ。

 国語・算数・社会は満点、魔術は330位くらい、武術は前期・後期の2回しか発表されないので分からない。



 まず、国語・算数・社会は前世からの知識と貴族教育のおかげで難なく満点を取ることができた。



 次に、武術は成績がまだ発表されていないから確信はないが、結構上の順位に入れそうだ。これは鬼教官(ピーター)のおかげである。



 そして最後に、魔術の成績が悪いのは、俺の魔法属性が月属性だからである。


 この世界では、月属性魔法の価値がひじょーーーーーに低い。地球での知識があれば最強クラスの魔法になるのだが、この学園の授業科目からも分かるように 「理科」 と呼ばれるものがほぼ発展していないのだ。


 一応、 「錬金術」 はあるのだが、 「なぜそうなるか」 が全く分かっていない。それどころか理解しようともしていない。


 しかし、テストの点数は文句なしの満点だった。俺たちのクラスを担当している魔術教師の話では、今回のテストは学園史上屈指の難易度をほこるとかで、学年平均が21点という初等部の子供に解かせる問題ではないのだとか。

 

なぜ俺がそんな問題で、満点を取れたのかというと、幼少期に家の書庫にあるほとんどの本を読んで、頭に片っ端から入れていった結果である。

 

そのおかげか、マリーナ母さんから 「高等部でも魔術に限れば主席で卒業できる」 とお墨付きをいただくレベルで魔術は得意だ。

 だから魔術教師のところへ抗議に行ったのだが、1年生を担当している魔術教師たちは 「本当に済まない」 と今回のわけを話してくれた。




 ***




「ディーンくん。本来、自分たちの担当している教師たちが平均点が70点ぐらいになるように作るんだが、今回の問題はボクたちじゃあ無いんだ。」


 とボクっこ男性老人教師という誰得だかよく分からない属性の魔術教師が代表して口を開く。




「誰が問題を作ったとか関係あるんですか? 」



「今回のことに関しては大いにあるんだ。」



「なら誰が作ったんですか? 」



「...教頭先生だよ。」


 教頭? たしかどこかの貴族の四男じゃなかったっはず。それに、高等部では魔術はかなりの成績で卒業したと常々自慢してる人でしょ? そんな人がなんで...




「なぜそこで教頭先生が出てくるんですか? 

 せめて、他学年の魔術教師なんじゃないですか? 」



「ああ、ディーンくんの言う通りだ。ボクたちだって反対したよ。でも、教頭先生が引かなくってねぇ。」


 そう言ってボクっこ老人教師は遠い目をした。




「それならなぜ? 私は満点でしたよ? 」


 そうだ。あの鬼畜な問題で唯一満点をとれた俺は普通なら良い成績がもらえてしかるべきだ。



「それは... 君の魔法属性が月属性なのが関係していてね... 」


 曰く、教頭はかなりの魔法属性至上主義者でらしく、俺が月属性だと知ると俺の成績を下げるように命令したらしい。しかし、無理矢理問題を変えるだけで無く、成績優秀な生徒の成績を一教師の思想で故意に下げるのはいかがなものかともう抗議したのだが、権力には勝てず結局成績を下げてしまった。




 ***




 この話を聞いたときは、教頭を消しとばしてやろうかと思ったが、ロッカスとピーターに全力で止められたので、教頭を消し飛ばすのはしぶしぶ諦めた。


 その代わりに、ジロとフレデリクにこの一連のことを話し、彼らの実家から圧力をかけてもらうことにした。権力が大好きな教頭先生なら、泣いて喜ぶことだろう。





 そんなことがあったので俺は今、かなりイライラしている。





 そして、イライラしている時に限って追い打ちが来るもんで...



 やっぱり俺に追い打ちをかけるように事件が起きた。




ご覧いただきありがとうございます。

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