「霊の住む病院」 けいた・れいた
とりあえず読んでいただけると嬉しいです。
漫才「霊の住む病院」
けいた・れいた「「どーもー」」
けいた「けいたです」
れいた「れいたです」
けいた・れいた「けいた・れいた です~」
けいた「いやー、やっと梅雨があけましたな」
れいた「もう毎日暑い暑い」
けいた「このまま暑くなっていくと」
れいた「暑くなっていくと?」
けいた「12月には」
れいた「12月には?」
けいた「松岡修造になってしまいますな」
れいた「そこは気温が50度超えますなーっていうところやろ!」
けいた「誰でも熱くなったら松岡修造みたいになるやろが」
れいた「その熱いって字がちゃうわ!」
けいた「それでな、涼しくなるために怖い話でもしてやろう思うてな」
れいた「ほう」
けいた「うちの近所、めっちゃ怖い病院があるねん」
れいた「ほうほう」
けいた「もう、どんな病院の怪談話や病院型お化け屋敷も勝てないくらいでな」
れいた「ハードルあげるなあ」
けいた「どんな野戦病院も勝てないくらいの恐ろしさや」
れいた「いや、それはリアルに怖い方とちゃうか?砲弾とか飛んでくるやろ」
けいた「この前、俺が夏風邪ひいたってゆうたやろ?」
れいた「そうやったな。おかげで営業をお前の等身大パネルと腹話術で乗り切るの大変やったわ」
けいた「何気に、俺がいなくてもいいってディスってへん?」
れいた「気のせいや気のせいや」
けいた「それでな、熱が42.195度もあったから」
れいた「えらい細かい体温計やな、、、ってそれ、フルマラソンの距離やろ!」
けいた「病院行こうと思ったけど、日曜日でな」
れいた「普通、病院休みやろ」
けいた「けどな、たまたまうちの近所に日曜日にやってる病院あったねん」
れいた「運が良かったな」
けいた「そうやろ。まさか3年前につぶれた病院が復活しとるとか思わへん」
れいた「つぶれた病院が復活?」
けいた「そや。院長が謎の腹上死をとげてな」
れいた「それ、どこが謎なんや!」
けいた「実は院長、魔法使いやったんや」
れいた「なんやて?院長が魔法使いとかいきなりファンタジーやな」
けいた「院長、50になっても童貞やったくせに、腹上死したんやで」
れいた「50童貞ってそっちの魔法使いかよ!ていうか、30で魔法使いって言うから、むしろ大魔法使いだな、そいつ!」
けいた「ネット検索したら、いつのまにか病院が復活しとるってわかってな」
れいた「きっと息子が跡を継いだんやな」
けいた「それはないわ。子どもとかおらへんで」
れいた「そういえば、大魔法使いやったな。それなら弟か妹が院長になったんか」
けいた「弟子か使い魔かもしれへんで」
れいた「ほんまの大魔法使いとちゃうやろ!」
けいた「それで受付に行ったら、受付の看護士が下を向いとるねん」
れいた「なんや?」
けいた「顔をあげると、真っ赤な目をクワッと見開いてな」
れいた「うわ、なんや!真っ赤な目とかもう怖いやんか!」
けいた「『保険証もお願いします』って言われたんや!驚いて死ぬかと思うたわ」
れいた「普通や!月に一回は出すもんや!」
けいた「それで俺は恐る恐る聞いたんや。なんでそんな赤い目をしているのかって」
れいた「ようそんなの聞けるなお前」
けいた「そしたらな、一晩中『なろう』読んでたって言うんや」
れいた「ただの寝不足かよ!うつむいとったの、居眠りかよ!」
けいた「待合室は俺一人でな」
れいた「えらい少ないな」
けいた「渡された順番は13番やったんや」
れいた「13番ってなんか怖そうな番号やな」
けいた「それで診察室から青白い顔の看護士さんが顔を出してな」
れいた「今度は顔が青白いのかよ。この病院大丈夫か?」
けいた「『12番の方どうぞ』って」
れいた「は?他に誰もおらんのやろ?」
けいた「そうや。そしたらな、横から『はい』っておっさんの声がしたんや」
れいた「おるやん!」
けいた「いや、横見ても誰もおらんのや」
れいた「なんやそれ・・・」
けいた「それでな、ひとりでに診察室の扉が開いて、誰か入っていったんや」
れいた「見えへんのか?」
けいた「そうや。でもな、俺にはわかったんや」
れいた「その見えないやつの正体か?」
けいた「おう。そいつはな」
れいた「そいつは?」
けいた「めだか師匠や」
れいた「なるほど、めだか師匠なら見下げてみないと見えへんでな、、、ってそんなわけあるかい!」
けいた「次に赤ら顔の看護士さんが顔を出してな」
れいた「今度は赤いんかい!本当に病院大丈夫か?!」
けいた「次は『14番の方診察室にどうぞ』って言うたんや」
れいた「お前の13番どこいったんや?!」
けいた「俺も言うたったわ。他に誰もおらへんし、俺の順番間違えとるやろ!って。そしたらな」
れいた「そしたら?」
けいた「『13番って言うと、寿命が縮みますから14番って言いました』って言うんや」
れいた「なんやその13階段踏んだらあかんみたいな発想は!」
けいた「それでな、『じゃあ14引く1番の方どうぞ』って言ってくれてな」
れいた「そこまでして13番言いたくないんかい!」
けいた「とりあえず診察室入ろうとしたら、ひとりでに扉が開いたんや」
れいた「看護士さんが開けてくれたんやろ?」
けいた「いや、誰もおらへんねん」
れいた「なんやて?!」
けいた「それでな、俺気づいてまったんや」
れいた「霊の仕業とかか?」
けいた「いや、めだか師匠、まだ診察室から出てきとらへんかった」
れいた「それでか!ってなんでも見えないのをめだか師匠のせいにすな!」
けいた「それで椅子に座ったらな、目の前に先生おらへんねん」
れいた「先生、奥から出てきたりするんとちゃうか?」
けいた「そしたらな、俺の頭の真後ろから先生の声がするんや。恐る恐る振り向いたらな、」
れいた「振り向いたら?」
けいた「『私のひざの上に座らないで下さい』って言われてな」
れいた「お前、先生のひざに座ってどうすんや!」
けいた「いや、美人の女医さんだったのでつい」
れいた「ただのセクハラやろ!」
けいた「とりあえず、患者用の椅子に座りなおして診てもらったんや」
れいた「確か夏風邪やったな」
けいた「いや、それが『これはもう末期です』って言われてな」
れいた「風邪とちごたんか?おまえ、もう死ぬんか?!」
けいた「『とりあえず入院してください』って言われてな」
れいた「入院したんか?」
けいた「『一泊二食付16000円になります』って」
れいた「旅館か!」
けいた「『素泊まり7500円になります』って」
れいた「アパホテルか!」
けいた「『でも残念ながら今日はスイートルームしか空いていません』って言うからな」
れいた「病院になんでスイートルームあるねん!」
けいた「スイートルームを相部屋で入院したんや」
れいた「そもそもスイートルームの相部屋とか聞いたことあらへん!」
けいた「高かったからしゃあないわ」
れいた「そりゃお前貧乏やからな」
けいた「で、病室入ろうとしたらな、中からなんか声がするねん」
れいた「苦しんどる患者とちゃうのか?」
けいた「いや、なんかあえぎ声っぽいねん」
れいた「今度はラブホか!」
けいた「こそっとのぞいたらな、」
れいた「のぞくんかい!」
けいた「死んだはずの院長が女性の上にまたがっとるねん」
れいた「院長の幽霊か!女性って患者か看護士か?」
けいた「院長が牝馬の上でむちをふるってな」
れいた「乗馬か!確かに牝馬も女性かもしれんけどな!」
けいた「そしたら院長がこっちを向いてな」
れいた「お前、見つかったんか?!」
けいた「『見たな?貴様殺してやる!』って言って、なんか恐ろしそうな呪文を唱え始めたんや!」
れいた「しまった!院長、大魔法使いやったわ!」
けいた「『必殺・ファイアボール!』って言った瞬間、俺の目の前が真っ赤に染まってな」
れいた「どうなったんや?!」
けいた「院長が鼻血吹いて死んだんや」
れいた「赤いの鼻血かよ!」
けいた「やっぱ大魔法使いやなくなっとたんやな」
れいた「そもそも人間は魔法使えんやろ!」
けいた「それで俺、気づいてまったんや」
れいた「何にや?」
けいた「院長、今度の死因は『腹上死』やなくて『背上死』やなと」
れいた「馬の背で死んでもそんなこと言わんわ!もうええわ」
けいた・れいた「「ありがとうございました~」」
あはははははははははははは!!!
わはははははははははははは!!!
けいたとれいたの目の前で二人の『地縛霊』が昇天していく。
「れいた、あと何人や?」
「病室はあらかた回ったからな。もう最後とちゃうか?」
そう、けいたとれいたの二人は、病院で死亡して成仏できない地縛霊に、漫才の面白いネタを聞かせて、その幸福感で成仏させるという力を持った除霊士。
今日は朝早くから病室を回って除霊漫才をしてきたのだった。
「それにしても、この病院、人死に過ぎやろ」
れいたが呆れたように言うと、向こうから青白い顔の看護士がやってきた。
「ありがとうございます。最後は院長室で除霊をお願いします」
「ここの院長の死因ってなんやったかな?」
けいたの言葉に青白い顔の看護士は表情一つ変えずにこう言った。
「頭上死でございます」
「「中国雑技団か!」」
思わずけいたとれいたは二人してツッこんだ。
そしてとっておきのネタを準備して、二人は院長室へと入っていった。
「俺たちの戦いはこれからや!」
「打ち切りか!短編やろ!」
~おしまい~
これでホラーと言えるのでしょうか(^_^;)
ライトホラーとかあるんやろか?




