第2話
その路地裏には割り箸や屋台などで使われるプラスチックの容器などが散らばっていた。不良でもいたのだろうか。
少し奥へ進むと右側に同じような通路があった。
おかしいな建物のはずなのに。
そんな不思議な通路がさらに僕の好奇心を掻き立てた。
僕は勢いのまま右へ曲がりまた進み始める。するとさっきより道が綺麗なことに気がついた。また僕の好奇心が騒ぎ始める。どこかの部屋につながっているのだろうか。
ずんずんと進んでいくと、次は左側に階段が現れた。面白すぎるだろ。なんで階段なんだ。
僕の顔は自然と口角が上がり、先ほどよりも早歩きになっていく。
なかなかに長い階段をぜぃぜぃと息を上がらせながら登っていくと、突然がやがやと物音や声が聞こえてきた。建物の中に通じているのだろうか。
最後の3段を浮いた足取りで登りきると、そこにはこの夏1番不思議だろうと思われる光景が広がっていた。
たくさんの屋台が連なり、そこら中に提灯がぶら下がっている。しかも全て昔ながらの建物なのだ。
なんだここは。
屋台の看板は日本語に似ている少し変わった文字が書かれており、売っているものは遠目でしかわからないが、とにかく奇妙だった。なんだあれ、トカゲか?
屋台に集まるやつらは、もうなんなのかわからない。猫?ぐにょぐょしてるやつもいる。人だと思われる姿をしているやつはお面をかぶっているか、頭に何か尖ったものが生えているのだ。
恐怖しかない。
そして数秒後、また奇妙なことに気づいた。
雨の音がしない。おかしい。
上を見ると雨は降っていなかった。いやそれよりも、さっきまで明るかった空が暗くなっていた。なんで朝じゃないんだよ。
僕はおかしい場所へ来てしまった。戻らなきゃだめだ。
無意識に足を後ろへと動かす。すると何かにぶつかる感覚がした。反射的に後ろを見る。
「え」
ついさっき登って来た階段がない。僕がぶつかったのはコンクリートの壁だった。
おかしいだろ。
さっきの期待などはじめからなかったように、焦りと不安が募っていく。
僕はドクドクとうるさい心臓を必死に抑え、どうすればいいかを考えた。
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