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教会の響き

 

 ある教会から、叫び声が響いていた。その声の主は…



「ハアハア…だから、言ってるだろ!!俺を、無視するなー!!」


「…分かったよ。で、ティルくん、どうしたの?」


「その呼び方やめろーっ(悲痛な叫び)」


「え~」


「『え~』じゃねえ!何でこうなったんだー!!」



 ティボルトの乱入から、かれこれ30分もたっていた。だが、ずっと無視をされ続けており、先ほど、やっと話を聞いてくれたところである。これから、一部始終をご覧にいれよう。



「だ・か・ら…「ロミオ、いつから新婚旅行なんだ?」


「おい、聞けって…「そうだね~来週にしようかなージュリちゃんは、いつが良い?」


「お願いだ…「ロミオ様と一緒なら、いつでもいいですわ」


「無視す…「この~バカップルめ~神父様も何か言ってくださいよ!!」


「俺…「…リア充…爆発…」


「反応し…「でさあ~…」



 ****


 ・・・もしもしー皆さーん、覚えてますかーソフィアですよー!!…どうやら私は、すっかり、忘れらてしまったようなの。みんな、ヒドイ…


「何で、ティルくんは僕たちの事を認めてくれないの?」


「コラッ、ロミオ、失礼じゃないか!ティボルトは、恋人がいないんだよ。察してやれ」


「そうだったのか…ホントにゴメン!!」


「いやいや、バカーシオの捏造だから!そんな、理由なわけないだろ!!」


「オイッ『バカーシオ』って何だよ!!昨晩、ソフィアとの逢引きを邪魔したくせに!」


「だま…「えっ!?うちのソフィアと恋人でしたの??」


「実は…」


「まあ!!じゃあ、今度は二人の番ですわね。マーシオ様、このブーケをソフィアに渡してくださいな」



 お嬢様…あなたの侍女のソフィアは隣にいますよ。そして、一番ヒドイのはマキューシオよ!!絶対に私がいることに気づいてる!!それにしても、勝手に私を恋人にするなんて!!



「お前らーっ人の話を聞けーっ!!…もういい、こうなったら、決闘だっ」



 えっ!!『決闘』と言ったよね!?まさか、物語とは全然違う形で来るとは…って、それにしても、おかしすぎるでしょ!!どうしたらティボルトが、あんなキャラに…それにしても、『歪み』は幅広いのかしら?



 一同が唖然とする中、その空気を破った者がいた。


「ちょ、ここでの決闘は勘弁して!掃除が大変じゃないか!!」


「神父様、心配するところはそこじゃないですよ!」


「ん?君はだれ?」


「…ジュリエット様の侍女、ソフィアですっ!ずっといましたよ!!」


「「「「えっ!」」」」


「『えっ!』じゃないですよ。特に、マキューシオ様なんか知ってましたよね」


「もちろん。愛しの恋人に気づかないわけないだろ」


「おのれ~マキューシオッ!!」



 突然、ティボルトは短剣を手に持つと、マキューシオに突進してきたのだった。だが…


「覚悟ーっ!って、これ、俺の短剣じゃない。しかも、使い物にならないじゃないか!!」



 そう、ティボルトが手に持っていたのは、木製の薄っぺらい短剣だったのだ。つまり、おもちゃの短剣と言うことだ。


「どう言う事だー!!何故、おもちゃの短剣のなってるんだよーっ」


 そして、また、教会に悲痛な叫びが良く響くのだった…















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