内密の結婚式!?
「お嬢様ー何処ですかー?」
「ここよ!!ソフィア、遅いわ!!で、どうだったの!?」
「お嬢様、安心してください。ロミオ様より、神父様が今日の午後、式を挙げてくださるとのことです」
「ホ、ホント!?…うぇーんうぇーん」
「勿論です。お嬢様、泣かないでください。さあ、教会へ行きますよ!!」
「ううっ…」
ソフィアは、ロミオのもとに行った後、自分が知ってるセリフを言ったことに感動しながら、帰宅したのであった。帰宅すると案の定、おめかしをしたジュリエットが出迎えており、飛びついてきたのだった。
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二人の結婚式は、ヴェローナでもっとも歴史ある教会で、新郎新婦、神父そして、ソフィアの4人で行われていた。―モンタギューとキャピュレット―決して交わることなど無いと言われていた両家の婚姻。つまり、周りからの非難は逃れようのないもので、今、式の最中と知れ渡ったら、式どころでない。その為、特別に入れないようにしているのだ。
「…誓いますか?」
「はい!!」
…ついに、この時が来てしまったのね…そう、もうすぐ、悲劇か喜劇かの分岐点に着くのよ。しっかりしなくては!!
「…では…
バタンッ
『ちょっと、待った―』
「「「「え!?」」」」
声が聞こえた方を見ると、そこには、ティボルトが立っていた。昨晩と同じく、カンカンに怒って…
「何で、お前がジュリエットと一緒にいるんだ!!」
「何故って…立ち入り禁止になっているし、予想できるよね?」
「ロミオ様、きっとティボルトは、結婚式に呼んでくれなかったから怒ってるのですわ」
「そうだったのか。ティボルト、ゴメン!!」
いやいや、絶対に違うでしょ!お嬢様の天然は知っていたけど、まさか、ロミオもだったとは…
それにしても、これも『歪み』なの?本来なら、ティボルトはここに来ないはずよ!!何でいるの!?
「ジュリエット、頭を冷やせ!!」
「あ、あの…「もういい、帰るぞ!!」
「えー嫌よ」
「何を…『アッハハハ』
「誰だっ!?」
ティボルトがジュリエットを連れて帰ろうと手を引っ張った、その時、また乱入者が現れたのだった。
「マキューシオ!!お前っ…「ロミオ、ヒドイじゃないか。結婚式に呼んでくれないなんて!!」
「あ、マーシオ、本当にゴメン。だって、反対されるかと思って…って、べンは?」
「その呼び方、止めろって言ってるだろ。ベンヴォ―リオは、用事があってね…」
「って、お前らー俺を無視するなー!!」
元々、響きやすい作りの教会に、ティボルトの悲痛な叫びが良く響くのだった。そして、もう一人、忘れられている人物がいることに、誰も気づいてないのであった。
あ、あれ?私、忘れられてる!?