表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/19

婚約破棄計画・始動!!

 昨晩から一夜、夜が明けて早朝、ある人物が騒々しくキャピュレット家に押しかけてきたのだった。そう、昨晩、マキューシオが言っていた通りに、ある令嬢が来たのだ。


「朝早くからごめんなさいね。でも、どうしてもジュリエット様にお会いしたかったの」


「とんでもありませんわ。まさか、アイリス様が訪ねてくるなんて、身に余る光栄ですわ」



 うわーいかにも、社交辞令の挨拶だー、部屋の空気がピリピリしてて出て行きたいのに…そもそも、申し訳なく思う気持ちがあるなら、こんなに早朝から押しかけてこないよね。いくら、大公の娘だからって、失礼すぎるわよ。ほら、お嬢様もこんなにご機嫌斜めじゃないの!



「それで、何故、こんなに早朝に?」


「単刀直入に言いますけど、パリス伯爵との婚約を解消してくれないかしら」


「婚約解消ですか?でも、それは親が決めた事であって私が決めた事ではないので、私に言われても…」


「た、確かにそうね。では、貴女は婚約を解消したいとお思いに?」


「ええ、もちろん」



 その瞬間、ガシャンと大きな音を立ててジュリエットの足もとにティーカップが割れていた。幸い、破片と中身はソフィアの機転により、手に持っていたおぼんでジュリエットに当たることなく防御されていた。



「・・・ええと、アイリス様、あの~」


「うるさいだまれ!!この、泥棒猫が!!おまえが、私からパリス様を奪ったのに今頃何を言う!!」



 はあ~お嬢様、本当に空気を読めませんね。だからいつも、ティーカップを投げつけられるのよ。それにしても、こういう、プライドの高そうな令嬢を扱う時は、正直に答えるのではなく、自分は愛してるけど相手の幸せの為に手を引くと言わないと!!それが、たとえ、無理な事でもとりあえず、言っとけば丸く収まるのに…



「…もういいわ。見てなさい、パリス様を救って見せるわ」



 二人が恋人だった事があるのかは謎…いや、無いと思うが、まるで、元恋人のようなセリフを吐いて出て行ったのだった。



「・・・」


「お嬢様、放心しないでください!!あと、破片が危ないのでどいてください」


「ソフィアが冷たいわ~」


「はいはい」


「あ、そういえば、後でロミオ様のところに行ってきて。式の日取りを決めるから」


「ええと、モンタギューのですよね」


「そうよ」


「か、かしこまりました」



 えっ、そんな重要な事を今、言いますか。ちょうど、誰も居なかったから良いけど、いったいお嬢様は、誰かいたらどうするつもりだったのかしら。てか、反対しないことに疑問を感じないお嬢様って…



 ****


 早朝の事件から数時間後、ソフィアはある部屋の中にいた。



「それで、貴女が私に何の用かしら?」


「主人の無礼をお許し願うために来ました」


「で、本当にそれだけ?」



 おっ、思ったよりも鋭いのね。ただの、頭の弱い令嬢かと思ってたのだけれど。



「いいえ。それと、ある計画を持ち掛けに…」


「計画?どんな?」


「具体的に言うと、パリス伯爵と主人との婚約を潰す…」


「協力するわ!!」



 答えるの早っ!私が言い終える前に答えるって、相当パリスのことが好きなのね。



「ではこれから、計画を詳しくお話します」



 ****


「分かったわ。つまり、お父様にお願いして、パリス様と私の婚約を推し進めるのね」


「そうです。そして、アイリス様は、伯爵に想いをぶつけてください」


「でも、振られたらどうするの?」


「その時はその時で、考えましょう」


「そう…じゃ、今からお願いしてくるわ。では、ごきげんよう」



 こうして、勢いよく部屋を出て行ったのだった。そして、残されたソフィアも居座るわけにもいかないので、屋敷を発つのだった。


 ふう~良かった~パリスの件は何とかなりそうね。後は、『弱みを握る』だけど、ぶっちゃけ言うともう既に握ってるのよね。じゃあ、そろそろ、お嬢様のおつかいをしないとね。











評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ