狂気に満ちて、狂気は欠けて行く
ねえ、どうすればいいの?
ねえ、何で世界は不安定なの?
ねえ、運命って何?
誰か教えてよ…
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…ソフィア、くよくよしても、時間の無駄よ!!そんな事、誰かに頼らないで自分で考えるのよ、私!!そう、どうやったら、ジュリエットは、刺客刺されないで済む?まずは、首謀者は?それからそれから、ええっと…
「ソフィア、焦らないで一回落ち着いて整理しよう」
「えっ!?…ええ、そうね」
「とりあえず、俺が分かることは、依頼人の方は大公の部下だと言うことだ」
「…あっ、刺客の方は、確か、出入りしている宝石商の中にいたような…」
「宝石商?…やはりか」
「やはり?」
少し、呆れた口調で言うマキューシオに対し、何も判らないソフィアは、不思議そうに首をかしげた。すると、何故かニコッと笑顔を浮かべて答えた。
「そう。真の依頼人は大公だ。やっぱり人間って、自分を守るためとなるとどんなことでもするんだね」
自分を守るため?
自分を守るためって、大公の座から降りるだけじゃない。そんなに大公の座が大事なの?罪のない人を殺そうとしてまで?
・・・許さない。絶対に許さない。あの男だけは!!
「フフフ…決めたわ。大公を、命と同じくらい大事な大公の座から引きずり下ろして、生き地獄を堪能させてあげるの」
「…え?」
ソフィアは堪忍袋の緒が切れていた。そう、前世を合わせても、切れたことが無かった緒が大公によって、切られてしまっていたのだった。
すると、マキューシオが少し狂気に染まりつつあるソフィアの瞳をまっすぐ見つめながら言った。
「ソフィア、勿論、引きずりおろすのは賛成だよ。でもね、ソフィアまでおかしくなったら、常識人がベンヴォーリオだけになるから、ブレーキが利かなくて困るんだ。だから、生き地獄は諦めて、元のソフィアに戻って来て」
つまり、許せと言うの?あの男を?
私利私欲のために動くあの男を?
「ソフィア、確かにあれはクソだ。だけどね、あんなのでも、家族はいるんだよ。アイツに生き地獄を堪能させようと思ったらね、アイツの家族を犠牲にしなくちゃいけないんだよ。ソフィアにできるの?」
家族が犠牲になる?
そんなの、出来る訳ないじゃない。だって、あの男と同じじゃないの!!
じゃあ、どうすれば…
数秒の沈黙の後、ソフィアが、何かを決心したように言った。その眼には、先ほどまでの狂気さは見る影もなくなり、まっすぐとマキューシオを見ていた。
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「つまり、ジュリエットはロミオの所で匿ってもらって、ソフィア、君はジュリエットの影武者をすると」
「そうよ」
「無謀すぎる。いくら、ジュリエットよりは力があるとはいえ、相手は男だよ。勝てるわけないじゃん」
「知ってる」
マキューシオは、呆れたように溜息をついて言った。
「まさか、死ぬつもりなの?そんなの俺が許さないよ」
「何で、マキューシオの許しが必要なの?」
何が悪いのか分からないと言う物言いに、ついには、マキューシオも諦めたようで言った。
「分かったよ。でも、俺が隠れてそばにいることを条件ね」
「良いのね。条件は飲むわ。じゃあ、お嬢様に言ってくるわね」
すると、ソフィアは走って行ってしまった。
マキューシオは、少し不安に思いながらも、これも惚れた弱みだと思ったのだった。




