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4:人体自然発火現象〜1〜
部屋にはもう全員がそろっていた。
近藤さんが話し出す。
「皆、心して聞いてくれ。幕命だ。」
皆が息をのむ。
幕府から直接命令がきたということは、必ず成し遂げなければいけない。
「皆も知っての通りこの街では人体自然発火現象が起こっている。それを解決せよ、との事だ。」
この現象は今、街で一番騒がれている。
なにもしていないのに人がいきなり燃え出すのだ。
新選組の隊士の一人もこの現象で命を落とした。
七番隊隊長の谷三十郎。
いきなり燃え出し苦しんでいた。
それを見ていられなかった総司がとどめを刺した。
おかげで屯所は守れたが総司は今まで以上に嫌われてしまった。
やらなければならないことが増えてゆく。
七番隊隊長も新しく任命しなければならない。
それに加え幕命ー。
自然と空気が重くなってしまった。