38:仲間〜2〜
光矢は一人で生きてきた。
辛いとか助けてとか弱音を吐いても助けてくれない。
そうやって長いこと自分から殻に閉じこもって身を守っていた。
助けを求めることを諦めてしまった。
しかし今、光矢の目の前には新選組がいた。
光矢を守るかのように立ち塞がっている。
信太郎が光矢に手を差し伸べている。
光矢は震える手で信太郎の手を掴んだ。
信太郎は光矢が驚くほどの力で握り返してくれた。
光矢は周りを見る。
総司が暗太を挑発し、注意を引きつけている。
斎藤は暗太の隙を狙い攻撃している。
新八が心配するように光矢をみていた。
左之助が光矢に背を向けて守ってくれている。
信太郎が力強く励ましてくれた。
「殺っちゃいます?」
「どうするか、お前が決めろ。」
「手伝ってやるよ!」
「早いとこ、決めちまおう」
「光矢さん!」
皆が光矢を待っている。
光矢は立ち上がった。
暗太は光矢を見つめた。
「死ねばいい‼︎殺してやる‼︎」
光矢に向かって暗太が走りだす。
もう、光矢は助けを求めることに迷いは無かった。
「暗太を倒す。力を貸してくれ!」