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夜明け  作者: 若葉 美咲
36/42

35:来客〜1〜

月明かりの下に青年がいた。

刀についた血がぬらりと光る。

「あーあ、死んじゃった。」

その青年が笑う。

刀の血を少し舐めた。

それから、また笑う。

「もろいなぁ。どうしてこんな奴らに弟君がわざわざ働いているのかなぁ?」

不機嫌らしく、青年は眉をよせた。


月が雲で隠される。

青年の姿も闇に紛れた。


風に流され、雲から月がでてきた。

その時にはもう、青年の姿は見つけられなかった。

ただ不気味に響く、笑い声がこだましていたのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー

七番隊は今日、巡回日だった。

しかし、降って湧いたような光矢に従うものはいない。

幹部とは仲が良くなったとはいえ、世の中そこまで甘くない。

七番隊の隊士からは信用されなかった。

そんな、機会さえ、光矢には与えられなかった。


そんな訳で光矢は一人街を巡回していた。

もちろん、新選組の隊服を着て。


光矢はわりと物覚えはいい。

巡回コースも初日で頭に叩き込んだし、料理も習っている。


幹部の人は主に光矢が一人きりなのを心配した。

が、光矢は一人に慣れているから、気にしていなかった。

今日までは。

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