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夜明け  作者: 若葉 美咲
34/42

33:秘密〜1〜

夏の夜。

光矢は黒い着物で街を歩いていた。

ユメグイが怪我を治す前に仕留める予定なのだ。


ユメグイはすぐに見つかった。

光矢は術を使ってユメグイの動きを封じた。

『きざぁまぁ!』

ユメグイが逆上し、光矢に襲いかかった。

光矢はかわしきれない。


「危ねえ!」

左之助が光矢を倒した。

新選組の隊服がひるがえった。

「何で見えてんの⁉︎」

光矢が間抜けな質問をした。

「話は後だ!こいつをどうすりゃいい?」

左之助がユメグイを見据えた。

足に力を入れて光矢が立ち上がる。

左之助が光矢をかばうように槍を構えた。


光矢は札を取り出し、投げつけた。

「決まってるだろ⁉︎倒す!」

光矢が走り出す。

それに呼応するかのように左之助も槍を振り上げた。


辺りは暑く、二人の息は上がっている。

灰と化したユメグイの隣で膝をついた。

空には消えそうなほど細い月が上っていた。


少したってから光矢が左之助に向き直る。

「原田さん、ありがとうございます。助けてもらった。」

左之助は照れたように笑った。

「左之って呼んでくれ。」

ニコニコ笑いながら、光矢に向かって左之助が言った。

「じゃあ、左之さん。あなたはみえてるんですか?」

二人の間に長い沈黙が下りた。

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