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光矢は考えた末、逃げることにした。
頭を使うより体を動かす方が性格にあっている。
皆が見守る中信太郎にお礼を言った。
勇にも、丁寧に謝る。
突然、信太郎が光矢の隣に来た。
光矢が驚いていると、信太郎が戸惑いながら小声で話しだした。
「お狐様ですよね?あの時の。」
光矢にしか、届いていない声で信太郎は静かに語りかける。
光矢は記憶を手繰り寄せた。
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その日は雨が降っていた。
天狐だということがばれてしまい、ある街の人間に光矢が追いかけられていた。
家にいれてかくまってくれたのが医者だった。
その人の息子は胸の病で死んでしまいそうだった。
かくまってくれたお礼に息子の病気を光矢が治したのだ。
息子は狐の姿も人間の姿もしっかりと目に焼き付けていた。
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「ああっ!!あの時の!」
光矢が叫ぶ。
全員の視線が光矢に向けられた。
「そうです。あの説はどうも。」
改めて信太郎が深々と頭を下げた。
光矢は驚いて声も出ない。
総司と一が目を細めた。




