29/42
28:加入〜3〜
光矢と一が睨み合っているところへ勇が入って来た。
「君!まだ、寝てなきゃダメじゃないか!」
起き上がっている光矢をみるなり勇が言った。
そのあとに医療班の林信太郎(はやし しんたろう)がやってきた。
彼は落ち着いた性格で真面目だが、刀が苦手だ。
医者の息子だから治療は得意としている。
信太郎がここにいれるのはそのおかげだと言っても過言ではない。
信太郎は光矢にむかい頭を下げた。
「お身体の方はどうで、ごさいますですか?」
信太郎の声が情けなく震えている。
光矢が鋭い目をしていたからだ。
しょうがないといった感じで光矢が座り直した。
動きがさっきよりも滑らかになっている。
「焦らなくていいんだぞ。」
新八が声をかけた。
信太郎のことがお気に入りなのだ。
信太郎はうなづくと同じことを繰り返して言った。
「もう、治ったからいい。ありがとう。」
光矢が丁寧に断った。
そんな新しい一面をみせられて、歳三達は驚いていた。
光矢にもこんな優しいところもあったのかと、見ていた。
「あの、あの怪我でもう治ったと言うのは無理があります。」
信太郎が食い下がる。
光矢はすっかり困った顔をしている。
光矢は天狐だから、人より傷の治りが数倍早い。
一人頭を悩ませていた。




