27:加入〜2〜
光矢は痛みが落ち着くまで待った。
白い肌を汗が流れてゆく。
「大人しく寝てろよ!」
平助が言ったが、光矢は素直に聞く気配は無かった。
それどころか、立ち上がろうとしていた。
さすがに驚いた一が人を呼ぶ。
すぐに大きな足音がして新八と左之助が入って来た。
「無茶すんな!」
左之助が気遣うように言った。
またも、光矢は睨みつける。
新八が後ろから羽交い締めにする。
光矢は暴れるが、弱っていたし大人の四人に囲まれたらどうにも出来なかったらしい。
やがて、大人しくなる。
新八が光矢を布団に寝かした。
「助けてもらった礼も言えねぇのかよ?」
歳三が中に入って来た。
続いて総司も入って来る。
「まあ、いいじゃないですか。思ったよりも元気で良かったです。」
心のこもっていない声で総司が言った。
光矢は目を閉じたまま答えない。
何処か悔し気な表情をしている。
「まだ、名前、聞いて無かったよね?聞いてもいいかな?」
再び総司が言った。
光矢は黙りこんだ。
「名前は一番短い呪いだ。そんな簡単には教えない。」
総司は笑い出し、他の人はくちを開けたままにしてしまった。
歳三が震えだす。
「こっちが黙ってりゃ、ぬけぬけと!!」
それ以上は感極まって、言葉にならない。
総司はまだ笑っている。
子供のような、無邪気な笑顔だ。
光矢はそんな総司を羨ましそうに見ていた。
「いいな。」
声にせず光矢は言った。
小さく口が動いただけだ。
一はそれを読んだ。
「何がよいのだ?」
光矢が飛び起きた。
驚きと戸惑い、警戒心が現れている。
その姿はまるで手負いの獣のようであった。




