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夜明け  作者: 若葉 美咲
20/42

19:光矢〜6〜

やがて、歳三は顔を真っ赤にしながら、

「は、話して下さい。」

と、呟くように口の中でもごもご囁いた。

光矢は満足気に頷き笑いだした。

そうなると皆つられて笑いだした。

一は笑わなかった。

歳三は一人、殺意を胸の中に押しとどめなければならなかった。


笑い終わると落ち着いた光矢が話し始めた。

「まず、あれは本当には燃えていない。」

光矢の一言目から驚きの声が上がる。

歳三が何かを言いかけたが、勇に止められた。

「見えた炎の(まぼろし)から痛みを自分で創造してしまっている。」

光矢が言葉をきる。

皆から色んな意見が飛び交う。

「幻なら、なんで本当に死んじゃうんだよ?」

平助が声を張り上げた。

光矢が拍手を送る。

「そう、そこなんだよ。一番大事なのは。誰が幻を見せ、誰が痛みから傷を具現化させているのか、が。」

光矢はひとを惹きつける話し方をして注意を自分に向けている。


誰もが息を呑み光矢の答えをまった。


光矢は目を閉じた。

「妖だ。」

歳三が情けない声をあげた。

「妖⁉︎ふざけてんのか、てめぇ!」

拳をわなわなと震わせている。

光矢は勢いよく立ち上がった。

「信じる信じないはお前らの勝手だけど、俺は本当のことを言ったまで。六郎に聞いてみるんだな。」

そう言い捨てて、今度こそ光矢は部屋から飛び出して行った。


後に残された新選組は途方に暮れたのだ。

「お上に何と申したら良いのだ⁉︎」

勇の悲痛な声が残ったのだった。

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