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夜明け  作者: 若葉 美咲
18/42

17:光矢〜4〜

光矢は天狐の里に生まれた。

人の知らない森の奥深くの結界の中の里だ。

しかも天狐達をまとめる(おさ)の家の三番目の子供として誕生したのだ。


兄達からはバカにされ、体を弄ばれたり、殺されかけたりした。

しかし、母親も父親も光矢の存在が無いかのように振舞っていた。


光矢は逃げ出した。

居場所がない里から、人間の世界へと。

そこで光矢を待ち受けていたのは、辛い現実だった。

天狐と言うだけで命を狙われ、痛い目にあった。


妖や霊、妖怪も天狐の血を欲しがり襲いかかってきた。

そんな奴らを退治しているところを今の仕事のリーダー、地獄の管理人アークが見つけてくれた。

アークは光矢に初めて居場所を与えてくれた。

光矢はその居場所を守るために必死なのだ。


光矢にとってアーク以外に近寄ってくる生き物は自分を殺そうとする人か、力を利用しようとする奴らの二種類にしか、分けられない。


そうやって生きてきたから、触れられることが嫌いで、自分の本心を隠してしまうのに慣れていた。


〜ーーーーーーーーーーーーーー〜

それは、新選組でも例外ではない。

光矢はまだ、左之助を睨んでいる。

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