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13:ユメグイ〜4〜
妖が光矢に襲いかかった。
光矢は身軽にそれを避ける。
刀を抜くと峰の方、つまり切れない方で構えた。
「お前ごときが天狐にてをだすのか?」
妖の顔色が悪くなっていく。
そしてくるりと向きを変え走り去っていった。
光矢は深追いしなかった。
むしろ、わざと逃がしたのだ。
周りに人がいると寂しい思いをするし、見回りの人に捕らえられたこともある光矢は用心深い。
それに今戦うと新選組にも被害がでる。
光矢は妖を一睨みすると、六郎の様子をみた。
六郎は気を失っているが、傷は無かった。
光矢が安堵の息を吐き出す。
そこへ歳三が刀を向けた。
「てめぇ、何者だ?」
有無を言わさない口調で歳三がいった。
光矢と歳三はにらみ合う。
「何ですか?俺、早く帰りたいんですけど。」
光矢が食ってかかる。
新八が笑いだし、一が目をほそめる。
しばらく睨み合いが続いた。




