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11:ユメグイ〜2〜
光矢が新選組の所に辿り着いた時、真ん中で人が燃えていた。
光矢の目には、それだけが写った訳ではない。
妖がいる。
人が燃える現象のなぞが光矢には一瞬で分かった。
その人に駆け寄る。
新選組の人達が疑わしい目で光矢を見た。
「何者だ、あんたは⁉︎」
左之助が声をかけた。
光矢はすり抜けるようにして燃えている人の隣に来た。
「あんた名は⁉︎」
光矢が聞く。
男は答えない。
もう一度、光矢が同じことを聞く。
「も、森六郎!!」
悲鳴に近い声で叫んだ。
光矢は頷いた。
「じゃあ、六郎!燃えていない!お前は燃えていないから安心しろ!」
光矢が言い聞かせる。
総司が刀を抜く。
「遊んでいる暇ないんだけど。」
総司はいきなり飛び込んで来た光矢に刀を向きた。
大抵のやつなら、この時点で逃げ出すだろう。
六郎が喚く。
そんな中、光矢は総司に睨みかえした。
「黙ってろ。」
どすの効いた低い声で光矢は威嚇する。
すぐに六郎に向き直った。