コスプレイヤー?のプロローグ
「すいませーん!こっちにも目線お願いしまーす!」
「はーい!」
「すいません!スリットから足を出す感じでポーズしてもらっていいですか!」
「断る!!!」
20歳になったっていうのに、なんでこんなこと(女性キャラのコスプレ)を男の俺がしないといけないんだろうね・・・!!!
そう、それは2週間前、俺、呉井優耶の20歳の誕生日の日、友達を呼んで騒いていたんだ。その時に友人A男からこれお前に似合うから!と包みに入った袋を渡されたんだが、開けた途端時が止まったよマジで。なんでテメー男にチャイナドレスなんだよゴラァ!!!これあれだろ!某格ゲーキャラのスピンしてキックする子の衣装だろ!?しかも頭につけるシニョンキャップっていうのか?お団子につけるアレもセットで入ってるし・・・それを見た友人B子が化粧なら任せて!と化粧道具を取り出し俺を脅迫、そして無抵抗にならざるえなくなった俺に化粧を・・・な、なにをするだーーーーーーーー!!!
「優耶・・・似合いすぎて笑えないぞそれ。え、なにこの美女。あれ、似合わねーぷげらしようと思ってたのに・・・」
「ごめん。うちもあんたの平凡顔が化粧一つでこんな変わるとは思わなかったわ・・・てか、うちより綺麗ってどういうこと!?喧嘩売ってるの!!」
「しらねーよそんなこと!!お前らマジなんなの!?俺の黒歴史バラすとか脅迫して無理やりやっといてそれかよ!」
ぶっちゃけ俺の顔は平凡も平凡。どこにでもいる一般人Aな見た目なのだが。ちょっとまつ毛が長いのと、インドア人間なんで真っ白ひょろりんもやしっ子ってくらいのありきたりな20歳男子なのだが。なんか思いのほか化粧映えするお顔だったようだ。まったく嬉しくねぇ事実が発覚したわ・・・
その後、撮影会になってしまい、俺はもうヤケになっていろいろ要求されるがままいろんなポーズとらされ、新たに黒歴史を作る誕生日となったのだった。
数日後、B子から連絡があり、「前コスプレした写真うちのサイトにあげたら大好評でさ、今度一緒にイベントいかね?」という、もうこいつしばき倒していいかな?いいよね?っていうくらい理不尽メールが届いたんだ。てか、何勝手にうpしてんの?ねぇ?なに人の黒歴史ネットに晒してんの!?まぁ、一緒にコスプレしたいっていうB子の知り合いがめっちゃ可愛かったから行くことにしましたがなにか?可愛いおにゃのこと仲良くなるためなら俺の恥ぐらいどうってことない。
そして最初に至るのだが・・・
「キャァアアアアアアーーーーーーーーー!!!」
「なんだ!?」
「お、おい、あいつちょっとヤバいぞ!!」
女性の悲鳴が鳴り響くコスプレ会場。え、なにこれイベント?んなわけないよな。悲鳴が聞こえたほうを向いたらB子の知り合いのかわい子ちゃんがカッター持ったカメラ小僧に襲われてる!?
「ねぇ、なんで逃げるの?僕はこんなにも君のこと好きなのに。君だってそうなんでしょう?嫌がるフリなんてするからこんなものまで出しちゃったじゃないか。でも、仕方ないよね・・・・フヒヒ」
あれか、カメ子の勘違いストーカー野郎か。フヒフヒ笑いながら近寄ってんじゃねーぞてめぇ!その子はおいらの彼女(予定)なんだ!てめぇみていなキチガイ勘違い野郎なんかに渡してたまるかこの腐れ外道め!!
「おいそこの勘違い変態野郎。俺の知り合いになにしてんだ!!刃物出した時点でてめーは豚箱行き確定だぞおい?大人しくしとけや」
「なんだ君は!可愛い女の子がそんな汚い言葉使うものじゃないだろうがぁああああ!!」
「キレるとこそこ!?ってか俺は男じゃヴォケが!!諸事情でこんな恰好してるだけじゃ!!」
「君が男なわけないじゃないか!!こんな可愛い子が男な訳がない!!そういって僕の合瀬を邪魔するのか!」
「てめぇマジシバく・・・もうマジ激怒プンプン丸だぞ!!」
俺だってどうせコスプレするならカッコいい男キャラでやりたかったわ!!これも全部あいつらのせいだチクショー!!!
恨みつらみ撒き散らしつつ俺は変態にダッシュで近づき、勢いよく回し蹴りぃぃぃいいいいいいいいい!!!
「オラァアアアアアアアアアア!!!」
「ウギャッ!!」
超エキサイティング!!!ひ弱な俺でも助走つけて蹴れば相手吹っ飛ぶぐらい威力でるだね!!そしてすかさずカッター持ってる手を蹴り上げて安全確保。ついでに拾って会場外に放り投げる!!え、危ないって?大丈夫、海の方にぶん投げたから。この会場海の近くのでっかいサイトさんだからね。
「姉ちゃんすげーなおい!!春○コスしてるだけあるな!!」
「俺は兄ちゃんだボケナス!!」
てか声とか言葉遣いでわかんだろ常考。さて、あとか警備員くるまでこいつ抑えとかないと・・・っておま、復活はえーなおい!!
「もうなんなんだよお前ぇえええええええええええ!!!」
「黙れこの変態がぁあああああああああ!!!」
くっそ、取っ組み合いになるとやっぱ俺だと不利だなくそっ・・・
「アアアアアアアアアアァァァァアアアアアアアアアアアア!!!」
「叫ぶなうっせーんだよ!!!」
やっべ、押されてる!?っておま、まて、そっち海だぞてめぇ!!!ヤバい、落ちる!?
「くそったれが!!お前も道連れじゃ!!」
落ちる瞬間変態の服を掴んで一緒に落ちてやったぜ!!ざまぁ!!!お前も一緒に死のダイビングといこうじゃないか!!
「ハナセェエエエエエエエエエエエエ!!!」
「黙れキチガイ!!おめーはもうおしまいだ!!」
まぁ、おしまいなのは俺もなんだけどな・・・クソッ、童貞のまま死ぬのか俺は・・・でも、人生最後がヒーローっぽい終わりかたってのもいいかもな。
そうして変態を決して逃がすまいと力をいれつつ、俺の意識はなくなっていった。
友人A男、B子は今後でないので名前考えてますん。