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無の片鱗  作者: 安藤言葉
第二章 闇の国クースネダ王国 ~王と龍騎士と姫編~
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第九話 暗闇と女王と犯罪者

おそくなりました!!

あ、今回もちょっとあとがきは割愛させていただきます!

ク「お前ネタがないだけだろ・・・」

そんなことはない!

ではどうぞ^^・・・あ、感想はいつでも受け付けていますからね~^^

あれはもらうとうれしいです^^

クロside

終わりのない暗闇。


そのなかにたった一人たたずむ少女、天音夢羽。


彼女を見つけた途端俺は走り出した。


必死に手を伸ばし、彼女のか細い手を取ろうとする。


しかしその手は誰かに斬り落とされてしまい、夢羽には届かなかった。


俺の手を斬ったヤツが仮面をとり素顔をさらす。


そこには・・・天音夢羽の兄、そして俺の中でもっとも強くかっこいい青年、天音龍也が残酷に笑っていた・・・








「うわぁぁぁぁ!!!」


大きな声をあげながら俺は飛び起きた。


息は荒く、呼吸をするのも困難だった。


すこし落ち着いてから周りを見渡すとそこは俺の主人、ヒスイ・エクセラの部屋で俺はベッドで寝ていた。


・・・・・・どういうことだ?


俺はアレスさんたちと一緒にクースネダ校に行って闇の宝石を手にいれてそれで・・・・・・


まさか全て夢だったというのか?


いや、それはない。あの記憶は間違いなく現実のものだ。


「あ・・・起きた?」


「ヒスイ!なんでここに帰ってるんだ俺は!夢羽は!龍也さんは!!」


心配そうな顔で帰ってきたヒスイに詰め寄り思うがままに疑問を伝える。


「ちょ、いたい、いたい!!」


「なぁ!龍騎士は!!俺は戦える!絶対に夢羽を助けるから!!!」


「ええ加減にしとき」


いつのまにか部屋にいたアレスさんに突き飛ばされる。


冷静なアレスさんをみて無性に腹が立った。


「邪魔しないでください!早く助けにいかないといけないんですよ!もう二度と大切なものは失いたくない・・・そのために今すぐにでも夢羽を救いにいかないと!!いてもたってもいられないんですよ俺は!」


「クロくん、とりあえず落ち着き」


「そんな余裕ありませんよ!アレスさんは何も失ったことがないからそんな平気なんだ!俺の失いたくないと思うこの気持ち!アンタにわかるのかよ!!」


「ホンマええ加減にせぇ。こんな余裕のない非常事態やからこそ冷静にならなあかんやろ。ただ闇雲に助けようとしても自滅するで。それどころか他の大切なものまで失くしてまう。せやからまずは落ちつき」


「・・・・・・」


「クロくんの家族のことは聞いとる。確かにワシにはクロくんのような経験はしとらん。けどワシにやって失いたくないもんはたくさんあるんや。クロくんやってワシの大切な仲間や。そんなクロくんが苦しんでて平気なわけがないやろ」


「・・・・・・ごめんなさい」


「ま、なんや。とりあえずあの闇の国にあったゴーレムのことは報告しにいかなあかんからのぉ。一緒に来ぃ」


そういえばそうだ。


夢羽たちのこともあるがそっちも一大事である。


死にかけでも俺たちが苦戦したあのゴーレム。


あれがもし戦闘に使われるなんてことがあれば・・・


「そうッスよね・・・学園長のところに行くんすか?」


「いや、違うで。今から会いにいくんはこの国の女王、アオイ姫や」


アレスside

長いロングの金髪。気品のある顔立ち。凛とした雰囲気をかもし出し、いかにも上に立つのにふさわしい人間。


それがベルフレム王国女王、アオイ・エクセラの印象だった。


そして魔力も相当あるように見えた。


闇の力を手に入れてからなんとなくだが相手の魔力がわかるようになったのだ。


クースネダ校でのことの一部始終は全てクルムーン先生が話した。


ただ「魔王」の単語が出てきたとき一瞬先生が恐怖の表情を浮かべたのが気にはなったが・・・


「そうですか・・・では至急魔法連合軍に相談してみましょう。それからまたあなたたちに知らせます」


「・・・それってどのくらいかかりますか・・・」


小さく、しかしはっきりとした声で聞いたのはクロくんだった。


「そうですね・・・まず調査団が結成されて調査し、その後軍が作戦をたてて・・・」


「そんなに待てませんっ!!!」


「ちょっとクロ!」


ヒスイが止めるもクロくんの勢いはまったく止まらない。


「俺は!いますぐにでも夢羽を助けに行きたいんだ!こんなところで足踏みするわけにはいかない!!もう夢羽は手の届く範囲にいるんだ!!」


アオイ女王は困ったような表情を浮かべてる。


でもクロくんの望みをかなえる方法がないわけではないのだ。


たった一つだけある。


が、それは同時にクロくんを排除せねばならない状況でもある。


「ヒスイ、あなたはいいの?」


アオイ女王にとってその選択は娘のヒスイ・エクセラに危険を与えるものだ。


しかしヒスイは何も迷わずにその唯一の方法を提案した。


「お母様、私はこの魂獣と共に国を裏切る犯罪者になります」








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