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無の片鱗  作者: 安藤言葉
第Ⅰ章 火の国ベルフレム王国編~異世界の住人~
3/33

Ⅱ 美少女×キス=異世界

黒side

「・・・っと!おきな・・・」


・・・・・・


ここはどこだ?


「・・・きなさいってば!」


・・・ああ、そうだ。夢羽とお義兄さんを助けなきゃ。


「起きなさいって言ってるでしょ!!!」


「ぐはっ!」


腹に強い衝撃を感じ、目を開ける。


するとそこには金髪をツインテールにした背の低い女の子が若干不満そうに仁王立ちしていた。


「ったく・・・で?あんた何?」


は?初対面の人間に何言ってんだ?こいつは?


「何って・・・人間」


「最悪!死ね!」


そういうやいなや彼女のけりが再びおれの腹に直撃する。


「や~い!ヒスイ・エクセラの魂獣(こんじゅう )は平民だ~」


「やっぱだめだったか」


「ナワエ・ミウリュと同じだ!」


飛び交う侮蔑の言葉にヒスイ・エクセラというらしい少女が反論する。


「ちょっと失敗しただけよ!あとあんな落ちこぼれと一緒にしないで!」


よくみると周りにはまるで映画に出てくるような魔法使いの格好をした同い年くらいの少年少女がたくさんいた。


・・・なに、こいつら。コスプレか?


「こら!ミス・エクセラ!先輩を落ちこぼれとはなんですか!

みんなも同級生を馬鹿にしてはいけません!」


そのなかから中年の頭の毛がさびしい男の人が出てきた。


この様子からすると先生なのだろう。


「すいません・・・でもこんな平民なんてイヤです!もう一度やらせてください!」


オイ、平民っておれのことか。


「それはなりません。この春の魂獣召喚の儀式は神聖なものです。それに『ソウル・サモン』は一度使うと魂獣が死ぬまで使えないことぐらい知っているますよね。」


「はぁ~い・・・」


「わかったならはやく契約をおこなってください」


「え~彼と?」


「そうです。例外はありませんよ」


しぶしぶといった表情でうなずいた後、おれをけりやがった少女、ヒスイはおれに向き直り目の前に立った。


頭のてっぺんがおれの胸くらいまでしかない。


「ちょっとしゃがみなさい!」


「なんだその上から目線の言い方は?ちっちゃいくせに」


ボソッといったらまたけられた。その衝撃でおれは座り込む。


「貴族にこんなことされるなんて平民じゃ一生ないんだからね!」


なにが貴族だ。この暴力女。


ヒスイは杖らしきものを振り上げ、何かを唱え始めた。


「汝、我の魂なり

 汝は我を守り、敬い、従うべし

 今、契りを交わそうぞ・・・」


そういうとヒスイはいきなりおれの唇に自分のそれを押し付けてきた。


なんだか体が熱くなっていくようだった。


・・・・・・っていうか熱っ!!!


比喩表現じゃなくてほんとに熱い!!!


特に熱く感じている右手の甲を見ると見たことのない文字が刻まれていた。


「はぁ・・・これでいいんですよね、クルムーン先生」


「はい、よく出来ましたねミス・エクセラ。でもこのルーンは見たことのない形ですね・・・」


「ちょっと待て。なんだ今のは!!!」


おれのファーストキス!!まだ夢羽ともしてないのに!!!


「うっさいわね、平民のくせに」


「平民じゃねぇ、おれは柳川黒(やなぐかわ くろ)だ」


「知らないわよ・・・まぁいいわ。説明してあげる」



ヒスイside

「今のは無属性の魔法『ソウル・サモン』召喚系魔法の一種で

 自分の魂の波長と一番シンクロする魂をもったモンスターを呼び出し

 契約を交わすことで自らの魂獣となり、一生をともにする」


教科書に書いてあった文をまるっきし棒読みだけど平民にはコレで十分よね。


「だからって何でキスすんだよって意味!初めてだったんだぞ!!」


ッ――――――――――――!


この魂獣はなんてデリカシーがないのかしら!


「あれも契約に必要だったんだから仕方ないじゃない!わたしだってファーストキスだったんだからね!」


ドガッ!


そんな擬音語が似合うけりを平民の腹にぶちあたる。


ふ~、やっぱなにかをけると落ち着くわね~


「・・・まぁそれはいいや。おれはここじゃないとこから来たんだが?」


「ああ、距離は別に関係ないのよ」


すると平民は立ち上がって真剣な顔で迫ってきた。


「それじゃあ、あの手もお前の仕業か!!!!!」


すごい剣幕だったから思わず後ずさってしまう。


何よ、手って?面倒くさいわね、コイツ。


「知らないわよそんなの。だいたい『ソウル・サモン』は手なんてださないわ」


平民はがっかりした顔で再び座り込んだ。


「じゃあここはどこなんだ?」


ああもう!ほんっとうに面倒くさい!


「ここはベルフレム魔法学園よ・・・」


「・・・は?魔法?何お前、電波系?」


言ってることが意味不明だったけど、バカにしていることはわかったからけっておく。


すると平民はいもむしみたいになってしまった。


・・・にしてもむかつくわね、コイツ。平民のくせに!


どんな罰をあたえてやろうかしら・・・


そんなことを思っていると視界にゴーレムがいた。


・・・そうね。


「そこのゴーレムの主人は誰?」


「ぼくだが?」


金髪を短めに切った、おそらく美男子に分類されるであろう生徒が名乗り出てきた。


うわ、たしかこいつ人を馬鹿にした態度で有名なやつだ。


まぁ、こいつでいいか。


「それじゃあダニエル・ウーロン。あんたに決闘を申し込むわ。」


ふふふ・・・平民の分際でわたしをバカにしたことを後悔させてあげるわ。





いろいろ急展開です。でもヒスイはどうやって黒くんにお仕置きするつもりなんでしょう?なるべく早く更新できるようがんばります^^

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