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無の片鱗  作者: 安藤言葉
第二章 闇の国クースネダ王国 ~王と龍騎士と姫編~
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第三話 ナワエと過去と決意

アレスside


あの後主に自分とクロくんで生徒とその魂獣を倒した後(もちろんめっさ手加減したで?)二人の先生は職員室に行き、自分ら四人の生徒(正確には二人の生徒と二匹の魂獣?)は


部屋に向かっている時にシルフから聞いたのだが、クースネダ校は授業の4割に実践を取り入れているほど実力重視の学校なのだそうだ。


確かに魂獣の種類は希少なものが多かったが、やはり最強の魂獣である片鱗には勝てないようだ。


自分が手にいれた大きな力に改めて感心する。


と同時に自分の前を歩く小さな主人を見つめ、今一度この少女を絶対に守り抜くことを決心しなおす。


「そういえばアレスさん、遺跡のありかとかはわかるんですか?」


「ん~、それは今から探りを入れる予定やったんやよね・・・そんでも三週間もあるさかい、ゆっくり探してこうや」


とはいいつつ早く見つけたいのが本音だった。


この前の遺跡での木のゴーレムとの戦い。


もしクロくんが覚醒してなかったら確実に死んでいた。


だから自分もクロくんと同等の力が欲しい。大切な主人や仲間を守れる力が。



「あ、あの・・・私、こ、心当たりがあるんですけど・・・・」


「ホンマか!?」「マジっすか!?」


ワシの声とクロくんの声が重なる。


「あ、案内します・・・そ、それと・・・聞いて欲しい話があるんです」


「!!!・・・ナワエちゃん、あの話をするんか?」


「はい。みなさんにも聞いておいて欲しいんです。もちろんアン先生とクルムーン先生も一緒に」


そう・・・それはナワエちゃんが乗り越えなきゃいけないこと。


そして乗り越えるべきときは、そう遠くない・・・・・・



クロside


長い廊下を歩いていく。


今日は一日目ということで特に授業はないようだった。


というか多くの生徒は今治療中だろうしね。


歩いてる途中でナワエさんがぐるっと振り向く。


何かを決意した目だ。おそらく今から話すことに関係があるのだろう。


「少し、長い昔話をします・・・・・といってもまだ12年前のことですが・・・・・






私は部屋にあるお人形で遊んでいた。


この部屋での生活に足りないものなどなかった。


お人形やおいしい御飯、優しい召使いさんにきれいな宝石。


このときはたった4歳の子供だったが、自分が両親に愛されていることは理解できた。


両親に愛されていれば他のものはついでだ、などとも思うほどに私もまた両親を愛していた。


ガチャリ・・・


扉がゆっくりと開けられる。


そこにいた自分の兄の姿を見て体が反射的に震えだす。


「よぉ、ナワエ。楽しいか?」


言葉だけならばただの優しい兄なのだろう。


しかしその顔にはあきらかに不快感が出ている。


「あ、あ、あぁぁぁぁぁあぁぁぁぁ!!!!!」


必死に逃げ出す。今は召使いさんもいないからそれしかできなかった。


「まてよぉ、かわいいかわいいナワエちゃん~?」


「あうっ」


しかし2つも上の兄から逃げ切れるはずもなくあっさりと追い抜かされ転ばされてしまう。


それからは一方的な暴力だ。


殴る。蹴る。


単純な攻撃だが幼い子供に恐怖を植え付けるにはそれだけで十分だった。


こういうときはいつもやられるがままにしている。


無駄に抵抗したりせず、じっと待っていればいつものように誰かが助けてくれる。


そして同時に思う。


(お兄ちゃんはなんでこんなに私のことが嫌いなの?私はお兄ちゃんに何も悪いこと、してないのに!!)


そんな日々に8年間もナワエは必死に耐え、兄の姿を見るだけで気持ちが悪くなり、めまいがするようになっていた。


そして大きな事件が起こる。




恐怖の対象の兄が、いつも兄から自分を助けてくれた母と父を、殺した。


それをきっかけにナワエは身の危険を感じ、逃げるようにしてベルフレム校に転校してきたのだ。







・・・それが、私の過去です・・・・・・」


話し終えたナワエさんをアレスさんが優しく抱き寄せる。


皆聞いているうちは無言だった。


こちらの世界で言う、虐待をナワエさんは受けていたのだ・・・・・・


「そして・・・今のこの国の王が、私の兄、イナス・ミウリュです・・・もし、兄に出会うことになったら、私一人で・・・がんばらせてください・・・」


震えながら、小さな声ながらもはっきりとした声で言う。


「こ、ここがたぶん、い、遺跡のあるところだと、お、思います・・・」


大きな扉の前でナワエさんは立ち止まり、いつもの口調に戻って目的地に着いたことを伝えてくれた。




タ「こんにちわ、タクミンです^^今日図書館に勉強しにいったんだよ」


ク「お、がんばるじゃん」


タ「いや、まぁ結局あんまし集中できなかったんだけど、なんか自販機の位置が変わってて、いつも飲んでたキリンレモンがなくなってたんだよ」


ク「ありゃりゃ。で、探したんだな?」


タ「だけどさ・・・キリンの自販機なかなかなくて、30分くらい探したらやっとあって!でもキリンレモンがなくって!!!30分くらいうろちょろしてたから仕方ない、と思ってスポドリ買ったんだ・・・そしたら図書館に戻るときにキリンレモン売ってる自販機二個も見つけた・・・・・・」


ク「・・・・・ご愁傷様です」


タ「ほんと最悪だよ・・・あ、でも現実のクロ(友達)には会えた!!(要するにモデルというか。何度もいうけど性格は違うんじゃないかな?)さぁ、次回予告です!二回目の遺跡攻略!今度はどんなわなや敵が待ち受けているのか・・・お楽しみに!!」

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