第二話 風竜と歓迎と龍騎士
クロside
吹き抜ける風が心地よい。
雲が真上にあって手を伸ばせば届きそうだ。
「って!?あぶばぶばいhfないbsふぃb!!!!!!」
ほんとに雲の中に入りやがった!
「ちょ!アン先生!やめてくださいよ!?」
「あぁ?そんくらい我慢しろや。もうすぐ着くから」
今俺たちは空を飛んでいる。
といってもアン先生の魂獣の風竜に乗っての移動なのだが。
「つーかシル・・・アンちゃんもやっぱ魂獣いたんやな」
「(こいつ本名でもちゃんづけするつもりか?)あっこは狭ぇからこいつは呼べなかったんだよ。こいつけっこうでけぇからな」
確かに大きい。
俺、ヒスイ、アレスさん、ナワエさん、アン先生、そしてクルムーン先生の6人を乗せても楽そうだ。
「クロくん、今きっと読者は私のことを誰?って思わなかったかな?」
「そんなことないっすよクルムーン先生!大人気ですって!」
一応思い出せない人のために。
第一章で出てきた闇魔法の授業の先生だ。
なんかアン先生にあの遺跡のことを教えたのはクルムーン先生らしい。
今向かってるのはナワエさんの出身国の魔法学校、クースネダ魔法学校だ。
そこで俺たちは交換留学生、というかたちで3週間学ぶことになった。
と言ってもそれは表向きの目的。
本当の目的は、おそらくクースネダにもあるであろう遺跡にある、闇の宝石だ。
それを手にいれてアレスさんもレベルアップしようというのが本当の目的。
この前のような魔物相手では今までの片鱗の力だけでは足りないからだ。
ちなみに交換留学生は二人の生徒(魂獣はもちろん数にはいれないぜ?)、二人の付き添いの教師が必要だということで、影の薄かったクルムーン先生もついてきてくれた、ということです!!
「そういやクースネダ校ってどんなとこなんすか?」
「自分はよく知らへん。召喚されたんはベレフレム校やからな」
じゃあナワエさんに聞こうか・・・
「私はいったことあんぜ。あっこはなんつーか・・・熱烈に歓迎してくれるだろうぜ?」
聞いてもいないのにアン先生が答えてくれた。
にしても熱烈な歓迎か~
歓迎パーティでもしてくれんのかな?
それはうれしいな~ なんだ、闇の国、なんていうから少しだけビビってたけどいい国っぽいな。
「おっ、見えたぜ。ほれ、中庭にあんなに生徒が私たちの到着を待ってっぜ?」
少し遠くに見える、まるでお城のようなところが学校なのだろうか?
すっげ!ほんとのお城だ!キャッスルだ!!
う~ん、ここで友達を作るのもいいかもな!
アレスside
「・・・・・・アレスさん、これどういう歓迎なんすかね?」
「ちょっと!アン先生!話と違うじゃない!」
「ククッ・・・ん?私は嘘は言ってないぜ?どうだ、ククッ、熱烈だろ」
中庭に降り立つと周りにいた生徒がいっせいに杖を向けてきた。
もちろん魂獣も殺気むき出しだ。
「クースネダってのは基本実力重視だからよ、来た途端戦わされるぜ?ま、がんばれよ」
う~ん、見事にはめられたんやね。
うわぉ、2つ首のコンドルとかでっかいムカデっぽいのもいるやんけ!
これはこれで楽しめそうやん!
「クロくん、いっちょがんばろか!」
「りょーかいです。来い!焔!!」
「さぁ~、処刑の時間や」
きっと自分らには手も足もでーへんやろーけどな。
面白そうな魂獣もいるし、ワクワクやわ!!
???side
ここは高くそびえる塔の中。
そこでもっとも大きな部屋。
今俺がいるのはここ、クースネダの王室だ。
ここからちょうど中庭が見える。
「お前はなんか感じることがあったか?あの留学生」
「いえ、イナス王。俺ならあの二人には負けません」
「ハッ、頼もしいねぇ。一分もかからずにウチの生徒を全滅させてんだぜ?」
にやりと笑みを浮かべるその顔から読み取れる感情は、歓喜。
好敵手を見つけたという顔だ。
「それにしてもよぉ、なんかあの黒髪の刀持ってるやつ・・・お前と同じ感じがすんだよなぁ。龍騎士」
イナス王は俺を見て不思議そうに首を傾げる。
鋭いと言うか、たまにイナス王は勘がさえるようだ。
・・・それにしてもようやくきたか、片鱗よ。
待っていた・・・待っていたぞ・・・・
長い間な・・・・・・・・・・
タ「久しぶり!タクミンでッス!最近高校も忙しくなってきてさ」
ヒ「いいわけすんじゃないわよ」
タ「ひどいよ!?でも今日はもう次回予告したいと思います・・・疲れた・・・・」
ヒ「たしかにね。電車の中で寝て、降りる駅を通り越して終点近くまでいっちゃったんですもんね」
タ「あぁ、それはいわないで!?はずい!」
ヒ「さっさと次回予告しなさいよ!」
タ「ヒスイが邪魔したん・・・ンギャ!?・・・イテテ(久しぶりにヒスイにけられた)じ、次回予告です!クースネダ校に来たクロたち。アレスが遺跡を探しにいっている間に語られるナワエの過去。そしてイナス王、龍騎士は何をたくらむ?次回もお楽しみに!!」