表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/82

最終決戦編 -1

   春茜 陰果てむ海 彼方渚(おちなぎさ)

        ()(いづ)りて()ゆ 白遊蝶花



 素朴(そぼく)に混じる華美が耀(かがよ)亜麻(あま)色の砂浜に、少女はザッザッと素早く連なる足音を深く踏み刻む。


「なんでだろ…。涙が止まらない。私が望んできた平和な世界が、叶ったはずなのに…。悔しくて、悔しくて…涙が止まらない。」

──あの頃と何も変わらない。やっぱり、私は無力なんだ…。



 今から十二年前、新緑の青さ(かお)皐月晴(さつきば)れに、五歳の彼女は砂浜に立ち、波に打たれる影法師を見つめていた。


「ラズリは女の子だから、強くならなくてもいいんだよってお母さんは言うの。でもね、お父さんと離れ離れになったのは、私が弱いからなの。無属性って言うんだって。」


 ラズリは涙を堪えようと勢い強くしゃがみ込み、冷たい(さざなみ)に手のひらを沈める。


「私は生まれてこなければ良かったのかな?」

──もう何も見たくない。何も聞きたくない。…魔法なんか嫌い。


 ラズリは濡れ浸った砂についた彼女の手形が、波に掻き消されるのをぼんやりと眺めていた。

 その日を境に、ラズリは自分の部屋に引きこもり、一歩も外に出なくなった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ