表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/82

勇者決戦編 -6

 そう言いこぼすレギルと同様、何が起こったのか分からず呆然としていたヴァイスは、シュヴァールに手を握られていることに気づく。


「シュヴァールさん、ありがとう」


聖魔力纏い(クドゥ・シャブラン)。無事で良かった。このまま息を合わせて。君の魔法に私の魔力を込める。それでレギル様と互角に戦えるはずだ」


 ヴァイスは頷き、全身から燃え上がる白炎を掌に集約させる。そして、シュヴァールはその手の甲に手のひらを添え、炎に聖魔力を絡める。


「聖炎魔法、アグニ·ソラニス」


 二人は、まるで太陽を雲にそっと乗せるかのように、手のひらを天に向けて添える。すると、燃え揺らめく炎の塊は空に向かって飛んでいき、圧縮されていた灼熱が解き放たれる。

 それは白く照り輝く太陽が降り落ちるように、レギルの頭上へ迫る。


「神聖光魔法、スーリア·ミーティア」


 レギルの周囲に形成された数多の光粒が、まるで白鳥の群れが太陽に向かって羽ばたくように、迫り来る白炎の隕石に飛び立つ。

 その二つの魔法が衝突した瞬間、ヴァイスの脳裏に、忘れるはずもなかった夢現(ゆめうつつ)な声が優しく流れる。それはヴァイスの母親、ソナの声。


 聖王輪転(ウルーヴェイユ)。今の私がヴァイスに贈れるのは”無為への愛情”だけ。これからも貴方の幸せを願ってる。


──彼女が生まれながらに与えられた天使の加護、”慈愛”がヴァイスに譲渡される。


「母さん?…また会えた」


 そのとき、ソナの気配を感じ取ったシュヴァールは、ヴァイスの方を不意に見つめ、涙を流す。


「ソナ…。思った通り、君は来てくれたんだね」

──今でも鮮明に覚えている。彼女との出会いは三十六年前、秋入梅(あきついり)の朝だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ