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勇者決戦編 -3

「綺麗事はやめろ。なら、どうして魔王の存在を王国に広めた?」


「そのときは…何も考えられていませんでした。しかし、今は違います。ソナと出会って変わったのです。いえ、気づかされたのです。魔法は武力だけではないと」


 レギルは、ふとヴァイスに視線を向け、呆れたように座り直す。


「貴様の義理の娘か…。千年間、武力の追求だけを考えてきたはずの貴様が、なぜ血も繋がらない娘に拘る?」


 シュヴァールも椅子に腰掛け、ヴァイスに顔を向ける。


「血が繋がっていなくても、大切な家族だからです。もちろん、ヴァイスも。今は自分のためだけではなく、ソナやヴァイスのために、役目を果たしたいのです。その終着点が、武力のない平和だと信じています」


 ヴァイスはシュヴァールと顔を見合わせ、微笑みながら頷く。

 すると、レギルは大きくため息をついて、背もたれにもたれ掛かる。


「どちらにしろ、王家と勇者の肩書きを持つ俺こそが国民を統べる声であり、最終決定権を持つことに変わりはない。お前たちが何を信じようが関係ない。しかし、それでも武力のない平和とやらを望むと言うなら、最強である俺と同じ舞台に上がり、武力で証明してみせろ」


 シュヴァールが立ち上がろうとすると、ヴァイスが袖を強く摘み引っ張る。


「シュヴァールさんが僕に見せてくれた最初の魔法、花火。その優美な灯りに思わず笑ってしまって、空白の日々から抜け出すことができた。だから、僕も魔法が武力だけじゃないって知ってるよ。強くなることを選んでおいて身勝手だけど、最強の舞台(ルール)を僕は変えたい」


 ヴァイスの手にシュヴァールの手が添えられる。すると、シュヴァールはヴァイスの頭を撫で、レギルの方へ顔を向け直す。


「レギル様、私はヴァイスの信じる幸せの未来に、一緒に居たいだけなのです。しかし、目的を失った魔法権力で統治された世界に、きっと、その未来はない。だから、その身勝手な理想のために、私はヴァイスと共に貴方と戦います」


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