魔王決戦編 後編 -8
──暗黒魔術、黒之世界。全ての人間が滅べば、戦争は終わる。
その邪悪な魔力は人々の魂を蝕みながら世界を渡り、まるで日が落ちていき、夜が訪れるように黒く染めていく。
バリエンテは、跡形もなく消えていく悪魔を最後まで見届けると、遠く後ろに散らばる仲間の遺体を眺める。そして、両手を合わせ、黙祷を捧げると、深い暗闇の方へ足先を向けて歩き出す。
それから一ヶ月も経たない頃、魔界最深層に居座っていたバリエンテの目の前に、アルバが姿を現した。
「良かった…。やっぱり、生きていたんだな。」
アルバは目を潤ませながら、微笑んでいた。
「兄上…。俺は王国へは帰らない。一人にしてほしい。」
バリエンテが淋しそうに目を逸らすと、アルバは静かに後ろを向いた。
「また明日。俺はお前を信じている。」
それから、アルバは何度もバリエンテのところへ足を運び続け、四年が過ぎた。
アルバはバリエンテの傍に立ち、手を差し出す。
「バリエンテ、帰ろう。俺が守るから。傍にいるから。お前の居場所は俺が守るから、家に帰ろう。」
すると、バリエンテはその手を勢いよく振り払った。
「もう諦めてくれ。俺の居場所は、ここしかないんだ。」
「今日、被疑者死亡という形で事件の終止符が打たれる。世間は汚名だけを投げつけて忘れ去る。本当に、このままでいいのか?ここに留まることに意味はあるのか?」
「このままにしてほしい。意味がなくても…ここに居たい。」




