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エリシオン·アル·レーヴ  作者: 蜜柑 宵薫
第四章(後編)
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魔王決戦編 後編 -6

「白い光は、闇をより深く、より黒く際立たせる。滅魔法、ルイナ·スパーダ」


 超重力によって光を遮る黒影が剣を形成する。


 暗黒に染まる邪悪な闇と純黒に染まる聖なる闇は互いに引き合い、衝突する。そして、空気が(にご)るように空間は歪み、二つの闇が渦巻いて吸い込まれるように消え去る。残ったのは、無の静寂だけだった。

 悪魔は呆気に取られ、足を(すく)ませた。


「我の魔術が人間と互角だと?我は悪魔…。貴様が如何(いか)なる存在だろうと敗北は許されないのだ」


 その瞬間、バリエンテは悪魔に向かって素早く駆け出し、闇黒の剣で悪魔の両腕を切り落とす。


滑稽(こっけい)だな。自らの立場に(とら)われ、目の前の現実を理解できていない。お前は悪魔で()りたいだけだろ?」


 痛みに藻掻く悪魔は、バリエンテの声にビクッと体を固める。

 すると、バリエンテは自分の影を広げ、悪魔の影を飲み込むように捕らえる。


「この憎しみに(まみ)れた報復が正されることはないだろう。いや、王国の民は知る由もないか。俺は、お前を地獄へ(ほうむ)りたいわけではない。ただ絶望を、恐怖を、怯え戦慄(せんりつ)する愚かさを知れ。滅魔法、ヘレ·ニグルム」


 悪魔の足元に穴が空いたように広がる闇黒は、超重力による引力で悪魔の体を地面に引き込む。

 悪魔は突然、頭から踏み潰されたように地面に体を叩きつけられ、身動きが取れなくなる。そして、だんだんと魂が聖なる闇によって浄化され、体が削ぎ落とされるような痛みと共に消えていく。


 人間…お前の言う通り、我は悪魔になりたかった。”信念”は揺るがないことに尊ぶ価値がある。この世界に来て、我はそれを忘れていた。いや、自ら捨てたのだ。


──悪魔の名はアザゼル。天界という世界で七大悪魔の称号「邪心」の一つ、”傲慢”を与えられた悪魔。


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