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エリシオン·アル·レーヴ  作者: 蜜柑 宵薫
第四章(前編)
48/82

魔王決戦編 前編 -10

 そのとき、瞼を閉じるレギルの脳裏に、聞き覚えのない男の声が過る。それは、”千年前の第一王子”ヘリオス・アルバの肉声。


 聖王輪転(ウルーヴェイユ)。残してしまった未練を、兄としての責任を…果たしたい。”挑戦への矜持”を君に。


──王の血を宿す二人の衝突が、アルバの眠っていた魂を呼び起こした。そして、彼が生まれながらに与えられた天使の加護、”勇気”がレギルに譲渡される。

 その瞬間、バリエンテとシュヴァールは、懐かしい魔力の波動に、全身が震え立つ。


「アルバ様?」──私は、また貴方に助けられるのですね。


「兄上?」──俺に光は届かない。何をしようと変わらない。


 レギルは目を見開き、全身から溢れ出る魔力と周囲の自然魔力を絡めた純白に輝く数多の光線を、掌に集約させる。


「神聖光魔法、スーリア·レグン」


 渦巻く光の玉が眩く煌めくと、数多の光線が束を成して空に伸び、虹を描くように降り注ぐ。


「神滅魔法、シエル·フェルメ」


 バリエンテは巨大な純黒の闇玉を光線に向かって放つ。

 すると、光線は進路を歪ませ、闇に吸い込まれていく。

 バリエンテが空を見上げる一瞬、レギルは鋭く輝く光線を一直線に放つ。

 それは三本に分かれ、バリエンテを左右正面で挟み込む。

 バリエンテは、地面から湧き上がる闇黒が盾となり、光線を弾く。しかし、光線は空中で屈折し、再びバリエンテを襲う。さらに、レギルは光を纏って突き迫る。


これで前編は終わりです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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