魔王決戦編 前編 -9
「神滅魔力防御。神滅魔法、ルイナ·スパーダ」
バリエンテは、手のひらから歪んだ純黒の闇で剣を形成し、切っ先を二人に向けて構える。そして、周囲を見据えると、神滅属性の魔力圧で結界が破れないことを確かめ、感心したように頷く。
それを見たシュヴァールは、背中から滾る熱に奮い立つように、大きく息を吸い、レギルに向いて頷く。
すると、レギルも頷き、手のひらに純白に眩く光を集約させる。
「聖光魔法、スーリア·アルム」
光の槍を両手に構え、威風堂々と踏み込むと、バリエンテに向かって光を突き伸ばす。しかし、その筋道は歪み、矛先はバリエンテの切っ先に集まり、弾き飛ばされる。その直後、バリエンテは剣の形を液状に崩して渦巻かせると、闇黒の玉を形成する。
「神滅魔法、ニクス·ノクス」
それは天高く浮き上がると、空を純黒に染めるように広がり、雪のような小さな黒い粒を満遍なく降らせる。
レギルは大きく息を吸うと、周囲の自然魔力を掻き集める。
「完全顕現。聖光魔法、スーリア·ミーティア」
周囲を駆け巡る数多の純白の光粒は群を成し、暗黒の空へ飛び立つ。
それは、黒粒の超重力に吸い寄せられ、光と闇が激しく衝突を繰り返す。
そして、ガラスが割れたような乾いた鋭い音が耳鳴る程に響くと同時に、衝撃波が爆散する。
そのとき、瞼を閉じるレギルの脳裏に、聞き覚えのない男の声が過る。それは、”千年前の第一王子”ヘリオス・アルバの肉声。




