魔王決戦編 前編 -6
すると、バリエンテは不敵な笑みで見つめ返す。
「…俺が魔王だからさ。」
それを聞いたシュヴァールは、歯を食いしばると、勢いよく両手を広げ、魔力を広範囲に拡散させる。
「聖時間結界魔法、クロノス·インペリウム。」
結界魔法。──それは自然環境支配の究極形態。自身の属性術式で空間を閉じ込め、内部の自然魔力を支配する。
「聖時間魔法、クロノス·パラリゼ。」
シュヴァールが手のひらを前に向けて突き出すと、それを合図に、結界内の時間は完全に停止し、目の前の風景から光が奪われていく。
しかし、シュヴァールは瞳に映る僅かな揺らぎに、目を凝らす。
そして次の瞬間、止まっていたはずの世界が彩りを取り戻し、動き出すと、空間を囲い込んでいた結界が崩れ去る。
「神滅魔力防御。お前の魔法は所詮、兄上の真似事。やはり、お前には何も見えていないな。」
シュヴァールは、息を忘れたように呆然と立ち尽くし、震える腕を強く握る。
「分かっていた。アルバ様が勝てない相手に、俺が勝てないことくらい…。どれだけ貴方を思っていても、復讐に変わりはないことも…。それでも、戦わずにはいられないんだ。」




