表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エリシオン·アル·レーヴ  作者: 蜜柑 宵薫
第四章(前編)
42/82

魔王決戦編 前編 -4

 雪に()れる冷たい窓ガラスに触れ、薄暗い部屋で程よい自然光に浸る”団長側近”シュヴァールは、ぼーっと外を眺めていた。


 今日は嫌な天気だ。また、あの日のことを思い出す。きっと、アルバ様も…。


 まだ暗い明け方だった。悲嘆(ひたん)を隠すような微笑みをするアルバは、いつも通り魔界へ出発した。その背中を追いかけようとしたシュヴァールは、降り積もる白雪が喪失感に(さいな)まれた心を一層際立たせ、足を(すく)ませた。

 そして今、誰もいない部屋に閉じ()もるようにアルバの帰りを待っている。


「言えるわけない。もう忘れようなんて…。もう諦めようなんて…。俺は…そんな情けない自分が、アルバ様より正しいと思ってしまうのが怖い。でも、あなたの隣が俺の居場所…そうですよね」


 シュヴァールはカーテンを両手でバッと強く閉めると、真っ暗になった部屋の扉を開け、大きく息を吸って駆け出す。



 魔界最深層。足取りが重く、息が詰まるような閉塞(へいそく)感と不気味なほどに静寂で冷たい空気が(まと)わりつく。 シュヴァールは吐き気を抑えるように口に手を当て、ゆっくりと奥へ奥へと踏み進む。

 すると突然、目の前の光景に足を止める。

 シュヴァールの瞳に映るのは、深緋(こきあけ)色の血溜まりにうつ伏せで倒れる人の朧影(おぼろかげ)。その顔を伺うように、じっと見つめながら、ゆっくりと寄り近づく。


「アルバ…様?」


 その体温が奪われたように蒼白(そうはく)に眠る顔に、見開く目を向けるシュヴァールは、その目を疑うように瞬きを繰り返す。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ