魔人決戦編 -7
その度に悲鳴を上げ、逃げようと這いつくばる魔人の惨めな背中をヴァイスは追い続ける。
「お前は、ここで死ぬ。逃げ場なんかない」
「人間に負けるなんてあり得ない。そうだ、お前も魔力が尽きる瞬間に、俺が殺してやる。その邪悪だけが俺の愉悦だ」
ヴァイスは立ち止まり、白閃の刃を解く。
それを見た魔人は、手足を再生させ、紫炎を豪快に撒き散らし、ヴァイスの視界を覆い尽くす。そして、即座に影に潜り、滑るように離れていく。
すると、ヴァイスは両腕を大きく広げ、熱を帯びた炎魔力を広範囲に拡散させる。
「聖炎魔力防御。聖炎魔法、白円陣」
放たれた紫炎は、ヴァイスに届くことなく消えていき、純白の炎は、魔人の行く手を阻むように燃え上がり、やがて円状に二人を囲う。
「終焉に向かう舞台は整った。これが最後の魔法…。聖炎魔法、グリーズ·ラルム」
ヴァイスの手のひらに、まるで稚魚の大群のように純白の炎が渦巻き、集約していく。白真珠の宝玉のような、その小さな炎の玉に、ヴァイスがフッと息を吹きかけると、ゆっくりと魔人の方へ飛んでいく。
魔人は、その炎を見て、指を差しながら嘲笑う。
「それが振り絞って出したものか?遅いな。そんな攻撃、俺には当たらない。まぁ、当たったところで、すぐに再生できる。やはり、人間では俺には勝てない」
「お前には、何が見えている?」
ヴァイスが鋭い視線を向けると、突然、魔人の指先が発火し、白い炎が燃え上がる。




