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魔人決戦編 -4

「魔王を包み隠すのは、異常な自然魔力濃度。魔法使いの我々が自然魔力に殺されるという無様な死に方をしたくないが為に、今日まで最深層に入ることすらなかった。しかし、俺はついに、魔法の極限に到達した。つまり、準備は整ったということだ。貴様らには、陽翼の皇剣(ヴェリエル)の表向きの役割、王国の護衛を命令する」


 理解が追いつかず、慌てふためく三大貴族の者達を見兼(みか)ねて、レギルは立ち上がり、テーブルを両手で強く叩く。


「魔王討伐に貴様らは足手まといだから、留守番しておけと言っているんだ。それとも、血脈で繋がれただけの歴史を捨て、無様に死にたいか?」


 三大貴族の者達は萎縮(いしゅく)したように座り、「承知しました。」と小さな声を(そろ)えて落ち着く。

 ヴァイスだけが、残り火をぼんやりと眺めているように取り残され、黒ずんだ重たい空気のまま、伍宮雲閣(アンペ・カプリス)は解散した。



 翌日の朝、日陰も相まって、薄暗く冷たい聖壁東門の前で、ヴァイスは座り込んでいた。そこへシュヴァールとレギルが、シックな雰囲気で肌を覆いつつも、マントを羽織った涼し気のある装いで歩いて来る。


「ヴァイス、待たせたね。じゃあ、行こうか」


 シュヴァールはヴァイスに手を差し出し、立ち上がらせると、重厚な古木(こぼく)の門扉を軽々と押し開く。そして、三人は暗闇が(にご)り溜まる魔界の奥へ向けて足を揃える。


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