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魔人決戦編 -3

 シュヴァールは、レギルに軽く頭を下げると、立ち上がり、ヴァイスの傍に歩み寄る。


「ヴァイス、憎しみを克服するのは、勝ち負けじゃないんだ。忘れようと必死に押し殺す必要もない。君がソナとの幸せだけを心に残すことこそ、憎しみを乗り越えるということなんだ」

──私はずっと後悔している。私の知っているソナしか、心に残せなくても…。それでも、彼女と居た時間は、(まぎ)れもない幸せだった。だから君には、君の知るソナを心に居させてあげてほしい。

「ヴァイス、魔人を殺せるか?」


 ヴァイスは背筋の強張(こわば)りが解け、真っ直ぐにシュヴァールの瞳を見つめると、大きく頷く。


「僕と母さんの思い出は、憎しみを忘れるくらい幸せだった。それを証明できるのは、僕しかいない。だから、僕が必ず、魔人を殺します」


 シュヴァールはヴァイスの頭を軽く撫でながら頷く。


「レギル様、彼は我々と同行させます。このまま、次の議題へお願いします」


 レギルはため息を吐くと、指を組みながら微笑む。


「シュヴァール。君の自慢の孫は、なんとも頼もしいな。では、第二の議題に移ろうか。魔王討伐について」


 魔王。──それは魔界の最深層にいるとされる魔界を()べる者。千年以上前に初代国王が世間に公表した時以降、その存在は未だに確認されていない。


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