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陽暈の盾編 -8

 そのとき、空気が震えるほどの魔力圧を背後から感じ取り、魔人は(おび)えながらも咄嗟(とっさ)に振り返り、紫炎を()き散らす。すると、そこにはシュヴァールがヴァイスを抱えながら、静かに立ち尽くしていた。


「哀れなのは、優越(ゆうえつ)を気取りたいがために弱者しか映さない、お前の偏屈(へんくつ)な目だよ。だが、死に損なっただけの歪んだ存在であるお前には、それがお似合いか」


 魔人はゆっくりと足を後ずさる。


「その魔力…あのときの…。いや、もっと前から…」


 そして、(もぐ)るように姿を自分の影に隠し、地面を滑るように闇の奥へと消えていく。

 ヴァイスは顔を(うつむ)かせながら、シュヴァールの服を掴む。


「どうして、ここに…?いや…。勝手な行動をして、ごめんなさい」


「あぁ…そんなことで私に謝る必要なんてない。それに言っただろ?君の幸せに満ちた笑顔をソナに見せるために、私が君の希望となる。それが、ソナから私に(たく)された使命だから、と」


 ヴァイスは双葉が芽吹(めぶ)くような温もりをじんわりと(にじ)ませた涙をスッと(ほお)に垂らし、唇を噛み締めながら、小さく頷く。


これで第二章は終わりです。最後まで読んでいただきありがとうございました。


凍月夜 冥む黒雲 雪陰ゆ

滲む溟海 群青椿


この和歌の意味は以下の通りです。

 凍えるような月の夜、空が真っ暗になるほどの黒い  雲が立ち込め、雪が降りそうな気配が漂う中で、奥深く広がる暗い海の色に滲むような群青色の椿が咲いている。


自分の解釈としては、以下の通りです。

 純白の輝きを奪った邪悪は、群青に燃ゆる憎悪で晴らすことはできない。


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