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異能世界で最強の半グレになる男の話-なお、男女比率は1:10で痴女だらけとする-  作者: 東山ルイ
第三章 どこまでも続くようだ

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048 良く分からない現象のようだ

 そう、大物は隠れている。火柱恋花は、まだ氷狩の知り得ない場所にいるのだ。

 だからこそ、

 サラの情報源が必要になってくる。彼女の隠れ家は抑えてあるので、あとは向かうだけである。

 そんな最中、


「おっと……?」


 火、が氷狩の周りに現れた。小さな火種は、やがてアスファルトの上で咲き誇るように燃え盛る。

 しかし、ここでやられたらシックス・センスの名折れ。氷狩は近くにいる意思を解析し、即座に犯人を見つけ出した。


「ったく、半グレ風情が……あたしのシマで好き勝手してるんじゃねえよ!!」


 日本人らしい黒髪ロングヘアをまとめていて、目は怪しく光る三白眼。めくったシャツの向こう側から見える、無数の和彫り。


「はッ。大ボス登場ってわけか。こりゃあ良い。わざわざ解析してもらう必要がなくなったよ」氷狩は炎と化した火種を意思の〝改ざん〟で消し去り、「暴排条例でなにもできねェオマエらの時代は、とうの昔に終わってるんだよ」スマホを叩きつける。

「まだ始まってすらいねえよ、あたしの時代は。極道の時代は!!」

「外道の間違いだろ」氷狩は嘲笑う。


 というわけで戦闘が始まった。とはいえ、氷狩は今〝道具〟を持っていない。タクティカルペンだけで、四方八方に炎を撒き散らす災害に敵うか、という話になってしまう。

 となれば、だ。

 撤退か、仲間を呼び寄せて闘うか。

 氷狩はふたつにひとつの選択を迫られ、

 やがて、

 近くでよれていた佐田希依の意思にアクセスしてみる。

 が、


(……駄目だな。あのアバズレ、寝てやがる)


 佐田希依からの返信はなかった。氷狩は手を広げ、


「おい、火柱恋花。海藤(かいどう)美奈(みな)を獲った男は、誰だと思う」


 犬歯が見えるほど笑った。

 あえて煽ることで、意思が揺らぐのを狙う。揺らげば、いくらでも反撃はできるし、逃げることだってできる。


「あぁ? いきなりクイズか?」

「刑務所の中でボケちまったアンタには、ピッタリだろ。ほら、頭使えよ」

「ああ……そういうことかよ」


 刹那、氷狩は未来を見た。回避不能としか思えない速度で、詰め寄ってくる炎の槍が氷狩の胴体を貫くという未来である。


「悪いが、そこまで短気じゃないんでね!! だが、海藤組長の敵討ちはさせてもらうぞ!! 腐れ外道がぁ!!」

「──!!」


 そのとき、

 氷狩の周りに、オーロラのような現象が舞い散った。それは見た目とは裏腹に暖かく、当然美しい。

 そして、

 氷狩の近くにあった車が、火柱恋花にサイコキネシスのごとく直撃した。


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