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異能世界で最強の半グレになる男の話-なお、男女比率は1:10で痴女だらけとする-  作者: 東山ルイ
第二章 天才ゆえ大変っぽいな

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037 まだ意思は死んでいないっぽいな

(制限時間は3分もねェ。だから殺せ。目の前にいる、このクソアマをぶち殺せ!!)


 氷狩の殺意が高ぶっていく。柴田やイリーナのようなカタギを巻き込みたくないのなら、3分以内に勝敗をつけるしかない。


「へえ……」


 海藤美奈も身構える。身構え、手のひらを氷狩のほうへ向ける。ビビビ、とCDを読み取るときのような音が響いた頃、氷狩は擬似的な未来を察知した。

 刹那、

 氷狩の立っていた場所が、凄まじい勢いでえぐれた。エネルギーが集合し、その碧い閃光は広範囲に広がる。一本道の道中にあったコンテナが消滅した。


「氷狩!!」


 柴田が慌てるものの、彼が駆けつけようとするのをイリーナが静止する。


「大丈夫。やられていない。意思は死んでいない」


 その証拠に、氷狩は天空高く跳ね上がっていた。ジェットパックがあるかのように。


「逃げ惑ってたら、あたしを倒せねえぞぉ!!」

「こっちには時間制限があるンだよ。悪りィけど、時短させてもらうぞ」


 今度は戦闘機のような速度で、到底人間には耐えられない速さで、氷狩は海藤美奈との間合いを狭める。単純な蹴り技で、彼女の腹部を貫こうという考えだ。

 だが、

 そのとき、

 四方八方からレーザビームが飛んできた。右から左、上から下まで。これでは回避しきれない。


「時短、だぁ? あたしを誰だと思ってやがる! あたしぁ、海藤美奈だぞ!!」


 邪気あふれる笑みを浮かべ、触れただけで骨のかけらも残らない攻撃が、ついに氷狩に直撃した……はずだった。

 しかし、ありとあらゆる能力にはコードみたいなものがある。佐田希依が嫌がらせ? してきたとき、氷狩はコードを改ざんして、それを無効化した。

 そして、こんな大技を繰り出すのにかかるコードは計り知れない。いくら相手が手慣れとはいえ、手を動かしたり歩いたりするときより、断然集中力を使っているのだ。

 であれば、話は簡単だ。


 氷狩は、すべてのレーザビームを避けた。いや、すべての攻撃をくらわないように仕向けた。


「意思の改ざんだね」

「改ざん?」

「人間は、脳内で無自覚のうちに意思を用いて行動している。今こうして会話しているのも、意思があってこそ。当然、能力も。でも、シックス・センスはその意思を改ざんできる」

「指一本動かすにも、意思は必要だしな」

「そういうこと。ましてや、能力は後天的につけられたもの。だから、指一本動かすことよりも圧倒的に意思を使う」


 氷狩は直感で感じ取る。

 シックス・センスに身を委ねられる時間は、あと1分もないことを。


「交わしたか。さすが、シックス・センス。だったらよぉ……」


 それに加え、意思の改ざんを行った所為で集中力が途切れた氷狩は、地上へ一旦降りてしまった。

 そこに、海藤美奈による迫撃が始まる。


「不良の先輩として、その細せえ身体に気合入れてやるよ!!」


 ふわぁ、と氷狩の脳内が揺れる。その刹那には、顔面に思い切り肘打ちされた激痛が響いた。


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