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異能世界で最強の半グレになる男の話-なお、男女比率は1:10で痴女だらけとする-  作者: 東山ルイ
第二章 天才ゆえ大変っぽいな

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029 怪物っぽいな

「ッッッ!?」


 柴田公正の胴体に、高山の糸が突き刺さった。


「ほらぁ……、公正は私といっしょに死ぬんだよ。そしていっしょに輪廻転生して、別の世界できっと幸せを手に入れて──」


 そんなとき、

 高山美紗希の頭上に、めくれたアスファルトが落下した。

 意識が薄れゆく柴田は、その攻撃を繰り出した者を見る。


「ンだよォ!! しけてるなァ!? 柴田ァ!!」


 目が真っ赤に染まった、鈴木氷狩がそこにいた。


「アヒャヒャヒャ!! ここからはおれの独壇場だ!! おらァ!! かかってこいよォ、茶坊主どもォ!!」


 氷狩の異変に、柴田は驚愕の表情を浮かべた。親友が、まるで別人になってしまった。


「氷狩……、オマエ──」


 柴田公正の意識が薄れていく。もう言葉を発するのも苦しい。

 そして、

 氷狩のシックス・センスで意識を失っていた警備員たちが、ライフルを担いでこちらへやってきた。


「この、イカレた殺人鬼が!!」

「あァ……?」


 瞬間、氷狩はとても人間とも思えない速度で、彼らとの間合いを狭める。そのままライフルを奪い、全く容赦なく乱射していく。


「ぎゃああ!!」

「クソッ!! オマエは、何者なんだ……!?」

「さァな!! オマエらに答える義務はねェだろォよ!!」


 命の灯火が乱雑に消されていく。氷狩の凄まじい速度の前に、誰も彼もかなわない。


「怪物、め……」


 やがて、数十人配置されていた警備員はすべて息絶える。もはや、氷狩の暴走を誰も止められない。


「ほら、どォした? おれを止めてみろよ」


 氷狩はせせら笑う。

 柴田は意識を失い、高山はコンクリートに押しつぶされた。この場を手打ちにできる者は、いない。

 だが、こんな暴走状態がいつまでも続くわけない。氷狩の目から、徐々に光が消えていく。

 そんな中、

 氷狩は、膝をついた。彼の目が赤色から元の黒色に戻り、青年は内蔵をやられたかのように、赤黒い血を垂れ流す。


「ぐほォッ!!」


 氷狩は意識を失った。


 *


『氷狩さんが……やられました』


 いつまで経っても戻ってこない氷狩を訝った神谷海凪は、サラへ連絡していた。そして、情報屋はそんなことを言った。


「嘘でしょ……? 氷狩が敗れたってことなの?」

『ええ……。その可能性が極めて高いです。神谷さん、これからどうするつもりですか?』

「まず、氷狩の身柄確保よ。私たちの組織〝カンパニー〟総員で、氷狩を救出するわ」

『正気ですか?』

「本気よ。私たちは少数派。仲間見捨てられるほど、人手が足りているわけではない」

『承知しました。私も今からそちらへ向かいます』

「ええ。すまないわね」

『いいえ』


 神谷は、ひとり頭を抱える。氷狩を見捨てるのは現実的な案ではない。もし彼が自白剤で神谷たちの犯罪を吐いたら、彼女たちは一網打尽にされてしまう。

 しかし、相手はマッド・ドッグ。日本の裏そのもの。そんなのを相手に、小勢の神谷たちになにができるというのか。


「……んん」


 そんなとき、もうひとりのシックス・センス、いや、シックス・センスの原石が目を覚ました。


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