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異能世界で最強の半グレになる男の話-なお、男女比率は1:10で痴女だらけとする-  作者: 東山ルイ
第二章 天才ゆえ大変っぽいな

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026 露払いっぽいな

「ああ、クソッ。頭がジンジンするぜ」


 隣にいた柴田は、頭を抑えながらもなんとか無事のようだった。つまり、効かない相手もいるというわけだ。決して無敵の能力ではない。


「ただ、これで露払いはできたな。よし、おれの番だ」


 柴田は手を広げる。指から糸のような物体が現れ、それらは恐ろしい勢いでマンションへと向かっていく。次々と、白い糸が意思を持っているかのように、まず入口のカメラを締め壊す。

 そして、

 柴田は、それらを展開したまま、


「行こう。時間は有限だろ?」

「ああ」


 ダンジョンに挑む冒険者のように、ふたりは真正面からマンションへ入っていく。


 そんなふたりを、別のマンションの屋上から見つめる女子たちがいた。

 氷狩と柴田の活躍を称えるかのように、茶髪のショートヘアの女は、口笛を吹き、


「ただまあ、そう簡単に突破されるわけにもいかないのさ。ねえ、公正」


 彼女は氷狩と柴田公正の挑むマンションの最上階へ、雲でも掴んだように飛んでいく。


「相変わらず、柴田がお好きなんだから。まあ、初恋の相手を殺させた張本人だもんね」


 それと同時に、隣へいた長い黒髪の女は、姿を消した。


 *


「なあ」

「ああ、簡単すぎる。なにかの罠みてェに」


 ここまで、氷狩も柴田も能力の行使どころか、銃すら抜いていない。ほとんどが気絶しているからだ。

 しかし、それ自体が懸念につながる。余計に神経を使い、疲弊感が溜まっていく。

 それでも、階段を登り続けるしかない。エレベーターなんて電子操作でいつでも止められてしまう以上、疑念を覚えながらでも、神経をすり減らしながらでも、行くしかないのだ。

 そんな中、3階に差し掛かったとき、


 ガコンッ!! という轟音。耳がパンクしそうなほどの爆音であった。くの字になって吹き飛ばされかけるが、柴田が糸で氷狩を拾う。


「ゲホッ……!!」

「やっぱり無機物には反応しないか。シックス・センス」


 どこか緊張感のない声色、気の抜けた声とともに、茶髪の女が現れた。


「……何者だ?」

「言う必要、ある?」

「ねェな」


 片手には爆弾の起爆装置らしきスイッチ。隙だらけだ。氷狩はシックス・センスによる擬似的な未来予知をしかけるが、


『公正。私のところへ戻ってきてくれるの!?』

『誰が……オマエに支配されるかよッ!!』


 そこで見た景色は、柴田と茶髪の女の激突だった。ならば、ここはもう柴田に任せよう。


「柴田、頼んだ」

「……ああ!! 言われなくても!!」


 悠然と階段を登ろうとする氷狩へ、彼女は柴田と同じく糸のような物体を繰り出した。

 が、意思を改ざんしてしまえば良い。糸が逸れた。

 氷狩はニヤリと笑い、


「よォ、いっしょに行くつもりはねェらしいぞ」

「チッ。ま、邪魔者がいなくなったし、公正。私といっしょに──」

「もう氷狩が代弁してくれたよ、高山(たかやま)美紗希(みさき)


 柴田と高山美紗希の激突が始まった。


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