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winning run

『光君?』


交通事故にあった子供を

病院に送る為に

ライトは

自分の被っていた

ヘルメットを外し

子供に被せている。


べ-ルに隠されていた

ライトの素顔は

光であった。


その真実を知ったレナは

その場で固まってしまっている。


だが

『話は後だ、早くしろ?』


光に、そう言われたレナは

慌てバイクに近づき

光と協力して

子供を2人の間に

サンドウィッチした。


すぐに光がエンジンをかけて

病院に向かって3結で

渋滞の中を縫うように

走り出している。


バイクに3人乗り

ノ-ヘル運転

信号無視


見つかったら

光君はレ-サ-資格を

剥奪されちゃうのでは?


ライトさんと光君が

同一人物?


頭の中がグルグル

描き混ざったようになった

レナは

病院までの道のりを

覚えていなかったそうだ。


やがて、総合病院に着いた光は

『ここで待っていてくれ?』

そう言ってレナを残して


子供を抱っこしたまま

病院の中へ消えて行った。


5分後、1人で

病院から出て来た光は

『待たせて悪かったな』と言って

彼女から黒い

ヘルメットを受け取って

装着する。


『テレビ局へ向かおうか?』

光とバレているなら

敬語は不要だろう?


そう考えた光が

普通に話し掛けると


『うん』と

マイク越しに

ギリギリ聞き取れる

小さな声でレナが答えた。


気まずい雰囲気で

無言の時間が続いたが


光が

『何か騙していたみたいで

悪かったな?』と

レナに話し掛ける。


『え?』

『騙された?』と

レナが聞き返して来たので


『光ではなくライトに対して

レナは色々と相談して

いたんだろ?』


『結果、それは

騙していたような

感じかな?と思ってさ』と

光が説明すると


『全然、そんな事ないよ』

『むしろ、ライトさんと

光君が一緒で嬉しかった』と

驚く事をレナが言ってきた。


『一緒で良かった?』

我が耳を疑う事を

レナが言って来たので

聞き返すと


『本当は、

すごく不安だったんだ』と

レナは少しずつ

語り始めた。


あと先考えずに

日本に帰国したら

光と同じ高校に入りたい


その一心で転校をしたものの

10年以上会っていなかった

異性の同級生


再会してみたら

別人のような

悪人になっている話を

聞いた事がある。


子供の頃は優しかった光も

10年経っていたら

分からない。


だが、隣の席になった時から

少しずつ

打ち解け始める事が出来


そのキッカケを作ってくれる

アドバイスをしていたのが

ライトであった。


成長していた光は

レナの中で合格点である。


だが女性は

異性には

自分を正しい道に

引っ張っていく行動力と


困った時に助けてくれる

ナイトのような

包容力を求めるものだ。


同級生では頼りないが

人生経験の多い

年上の男性は安心


女性が年上に惹かれる

理由でもある。


レナも光に対して

何年か経ったら

ライトさんみたいな人に

成って欲しいと望んでいた。


結果、小さい頃から

好きだった男の子は


実は内面も素敵な

理想の男性そのものに

なっていたのだった。


『だから、とっても

嬉しかったんだ』


光に言った後に

レナは

ハッと気付いた。


光の気持ちを

まだ確認していない。


1人よがりで

話していて

急に恥ずかしくなり

黙ってしまう。


それは、すぐに光に伝わり

『どうした?』と

聞かれたが

レナは返答に困る。


バイクは交通マヒを起こして

大渋滞で動かない

車の間を縫うように

走り抜けており

レナの表情は

確認が出来ない。


『気分が悪くなったのか?』

『バイクを停めるか?』


返答がない

レナを心配して

光が彼女に聞くと


『違うの』

『勝手に喜んでいたけど』


『光君は今

誰が好きなのか?』


『聞いていなかったな、って

思っていたの』と

勇気を振り絞って

大きな声で言ったのであった。


それを聞いた光は

『なんだ、そんな事か?』と

笑った後に


『俺はリナの事が

ずーっと好きだった』


『それは今も変わっていない』


『でも音信不通のリナには

会えていない』

『そんな俺の前に最近

不器用だけど

頑張り屋な美人が現れた』


『その子は俺の事を

好きみたいだ』

『そう分かると俺も

急に意識し始めてしまう』


『不器用だけど

一生懸命な女の子』


『リナを好きじゃないと

ダメな俺と』

『すぐ近くにいる

気になる女の子』


そう言った後

光は少し黙って


『ここまで言っても、

分からないか?』


『さっき、ライトに

相談した時に言っただろ?』


『俺は、お前が好きなんだよ』


『リナとレナが一緒で

俺も嬉しかったんだ』


そう言われてレナは

光を抱きしめている

チカラが更に強くした。


だが、ここに来て

『ウソをついていない?』と


レナが

照れ隠しなのか?

斜に構えているのか?


彼の告白に

異をとなえるように


『そんな急に私に

合わせて来たって

信用出来ないもん』と

光に返してくる。


だが光は冷静に

『俺がバイクレ-スを

やってきたのは』

『イギリスにも俺の名前が

知れ渡るように

する為だぜ?』


『あの時から

ず-っと、お前を好きだった

証拠だろ?』と

言ってきたのだ。


サッカーと並んで

ヨ-ロッパ、特にイギリスでは

モ-タ-スポーツは人気が高く


有名なF1レ-サ-は

王室から勲章を貰うほど

社会的地位も高い。


だがサッカーでは

自分が上手くても

他の10人が下手だと

勝つ事が出来ない。


小学校でサッカークラブに

入った光は

それを感じて


団体競技ではなく

個人競技で活躍する道を

選ぶ事にした。


ポケバイレ-スから

始めた光の活動は

去年から実り始めてきた。


『遠く離れた日本で

イギリスに行った

好きな女の子に

早田光の存在を知らせる為に』


『俺はバイクレ-サ-に

成りました』


『大悟レナが好きです』


レナは、その言葉を聞いて

嬉しくなり

声を出して泣き出した。


光も自分と

同じ気持ちで


レナの10年間は

間違っていなかったと

分かった瞬間である。


東京大停電で

都内の信号が全て

消えていたが

レナは時間前にテレビ局に

無事到着する事が出来た。


『臨時ニュースの放送で

今日の出演はキャンセルになる

可能性があるだろ?』


『帰りも心配だから』

『しばらく、ここで

待っているよ?』


光は、そう言って

レナを見送り

駐車場で待つ待つ事にする。


1時間後、予想通り

番組の生放送が中止と決まり

レナがテレビ局から

出てきた。


『帰りも、送ってくれるの?』

レナが自信なさげに

光に尋ねると


『当たり前だろ?

そのつもりで

待っていたんだよ』と

言って


レナにヘルメットを

差し出す。


BlackExpressの

後部座席に

レナを乗せた光は

世田谷街道を走り

やがて、ある場所へと着いた。


そこは小学生の頃の

光とレナが

2人でいつも

通っていた神社であった。


社務所はあるが

正月以外は無人で

いつも、人気は少ない。


小学校の帰り道に

2人が立ち寄った

秘密の場所である。


夜が近づいている

夕闇の中

2人は本殿へと

歩いて行く。


『何で、ココに来たの?』

レナに、そう聞かれた光は


『ここで、お前と過ごした

小学生の頃から』


『俺は、お前を

追いかけていた』


『2度と会えないかも?と

半分諦めていた時も』

『よく、ここに

お願いに来ていたんだ』


『レナに再会させてくれた

この神社に

お礼に来たんだよ』と

笑顔で説明をする。


その説明を聞いたレナも

目を閉じて頷き

光の横に並び

一緒に本殿に礼をした。


『リナと、また会えますように』

『その願いを叶えてくれて

ありがとうございます』

そう言った光の言葉に

答えるように


『光君と

結婚出来ますように』と

レナは声に出して

あの日の願いを再び誓った。


その言葉を聞いた光は

レナの方に顔を向けて


『なら誓いのキスが

必要だな?』と聞くと

恥ずかしそうに

下を向きながら

『うん』と頷く。


向き合った形の2人だが

レナは下を向いたままだ。


光がレナのアゴに

手を当てて

顔を持ち上げると


光の瞳を見つめていた

レナがまぶたを閉じる。


やがて2人の影は

夕闇の中、一つになった。




そして、しばらく経った頃

光の2年連続チャンピオンが

決定する。


それを紹介する記事には

早田 光(17)

ガイア学院 2年生とあった。


学校側が光の功績を

高く評価して

レ-ス活動を公認したのだ。


更にイルマ工業の

レ-ス参戦復帰が

その後に発表となり

記者会見の場には

光の姿もあった。


時同じくして

夕方の関東テレビに

出演している

女性タレントの中から

選抜されたメンバーで

CDデビューが発表されたが

その中にレナの姿は

なかった。


学業専念の為に

彼女は芸能活動を辞めたのだ。


事務所としては

必死で慰留をしたのだが

彼女は

アッサリと引退してしまった。


元々が自分の存在を

光にアピールする

キッカケとして

事務所に所属した

彼女に未練はない。


クラスの女子に

『レナちゃん、何で

売れてたのに』

『芸能界を辞めちゃったの?』

そう聞かれた彼女は


笑いながら

『私、さ来年から海外に住むの

だから、その準備の為かな?』と

答えたのだった。




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