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LAST RUN3

『停電ですか?』

辺りをキョロキョロ

見渡したレナが

ライトに聞くが


『もっと深刻な事態かも

しれませんよ?』

ライトは、そう言って

スマホをレナに見せた。


画面を見せられても

時間だけが

表示されていて

意味が分からない。


『画面右上を見て下さい』

『携帯が圏外になっています』

ライトに言われて

レナが確認すると

確かに圏外になっていた。


山奥ではなく

5Gの電波すら入る

東京23区内で

圏外なんて

聞いた事がない。


ビックリしたレナが

『これって何ですか?』と

不安そうに

ライトに聞くと


『おそらくブラックアウトだと

思われます』

そう淡々と説明をする。


『ブラックアウト?』


初めて聞く言葉に

レナが不思議そうに

尋ねる。


一般的な落雷などによる

停電では

地域の変圧器に

雷が落ちて壊れてしまい


その地域一帯のエリアが

停電してしまう。


だが、もっと大規模に

発電所や変電所が

動かなくなると

東京都全部などが

全て停電となってしまう。


それが

ブラックアウトだ。


普通の停電とは違うと

感じた光は

スマホでパンさんに

確認しようとしたが

携帯が使えない事が

判明した。


携帯の場合は

非常時に使えないと

マズイので

病院と同じく

無停電電源装置が

準備されている筈だ。


だが、それが動いていない


緊急用に通信網が回されて

一般用は使えなくしたと

考えるのが普通だろう。


『レナさん、

ここで停まっていても

しょうがないので』


『テレビ局に

向かいましょう?』

ライトにそう

言われたレナは


『お願いします』と

発進をライトに頼んだ。


信号が消えてしまい

右折が出来ない車が

クラクションを鳴らしており

道路はパニック状態に

なっている。


BlackExpressはいつも

世田谷街道から

環状8号線を南下して

テレビ局に向かっていた。


今はまだ世田谷街道に

出たばかりだ。


車は先が

塞がっていると

前に進む事が出来ないが


バイクなら車の間を

縫うように

抜けて行ける。


身動きが出来ないバスや

トラックは

道路上の障害物と

なっているが

光は車に接触しないように

絶妙なハンドルさばきで

渋滞を回避していた。


その時だ


一台の軽自動車が

センターラインを無視して

凄いスピードで

光達のバイクを

追い越して行った。


『無茶しやがる』

ライトが漏らした言葉に

一部始終を見ていたレナも

『本当に危ないですね?』

そう同調した時だった。


100m先で

軽自動車が何かを

跳ね飛ばした。


その光景は

ライトだけでなく

レナも目撃している。


人間?


光達が、その場所に着くと

小学1年生くらいの

男の子が横断歩道に

倒れている。


轢いてしまった

軽自動車の運転手は

その場で

立ちすくんで震えていた。


光がバイクを止めて

子供に駆け寄り

脈拍をとりながら


『大丈夫か?』と

子供に話し掛けると


『腕が痛い』と

苦しそうな顔で

訴えかけてきた。


左腕を骨折しているが

意識はある。


心配するのは内臓損傷と

頭をうった際の脳への

ダメ-ジだ。


バイクのレ-サ-は

転倒時の講習を

普段から受けているので

応急処置の知識もある。


『その子、死んじゃうの?』

軽自動車の運転手である

金髪ヤンキーが

心配そうに

ライトに話し掛けているが


『邪魔だ、交通整理を

していろ!』と

光に一喝されて

たじろいでいる。


携帯電話が繋がらないので

救急車を呼べない。


繋がって連絡が取れても

道路が通れないので

救急車が来れない。


レナをテレビ局に

送り届けないと

いけない。


目の前には

交通事故で苦しむ子供


『レナ、テレビ局に行く前に

病院に寄って行く』


レナ?

呼び捨て?

病院に寄る?


頭の中にハテナが

たくさん浮かんだレナだが

ライトが金髪ヤンキーに

何か指示を出している姿を見て


何かの行動を

起こそうとしている事は

察した。


小学生に

『起きれるか?』と

ライトが確認すると


子供は苦しそうな顔ながら

作り笑いを浮かべて

『うん』と頷く。


そしてレナに

『この子を近くの

病院に送って行く』

ライトに、そう言われたレナは


『え?病院?』

『私は、どうすれば良いの?』

そう言いながら

キョロキョロしていると


『一緒に病院に行って貰う』

『俺とレナの間に子供を入れて

サンドウィッチにする』

『それなら子供が落ちる

心配はないだろ?』


そう説明したライトに

『だって、3人乗り....』

『......』

レナが喋り掛けた言葉が

止まった。


ライトが自分の

被っていた

ヘルメットを

子供に着けている。


初めて見た

ライトの横顔は

レナが、よく知っていた

光の顔であった。







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