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球技大会 3

生放送が終わったレナが

急いでテレビ局から出ると

BlackExpressが

待機している。


だが何か違和感を感じた

レナがバイクに近づくと

ヘルメットのバイザーを

指で上げて


『俺です』と

バンさんがレナに

話し掛けてきた。


『え?ライトさんは?』

事態が飲み込めないレナが

質問すると


『アイツは別の仕事が

入っているから』

『帰りは俺が送って行きます』


彼達との契約は元々

テレビ局への

行きのみだから


他の予定が

入っていたのだろうと

レナも納得して


少し太っちょの

BlackExpressの

後部席に乗った。


『世田谷街道添いで

成城学園の近くですよね?』

バンさんに聞かれたレナは


『はい』と答えながら

バンさんとライトの

運転の違いを感じている。


車体は同じバイクだが

発信する時の加速

止まる時のブレーキの

かけ方


パンさんの方が荒く

感じてしまう


全てがライトの運転は

丁寧であった。


バンさんは

後ろに美人タレントを

乗せており


背中への密着感で

緊張しており

通常の運転よりは

少し荒くなっている。


そうこうしているうちに

バイクは目的地に到着した。


街道添いだが

駅から少し遠い

ファミレスにレナが入ると

奥の方でガヤガヤしている

一団がある


レナ達のクラス一向だ


レナが向かっていくと

彼女に気付いた女子が

『コッチ、コッチ』と

手招きするが


彼女の関心は他にあった。


クラスの男子達が

騒いでいるテ-ブルに

目をやると


楽しみにしていた姿を

発見する事が出来たのである。


来てくれたんだ。


一瞬で、にこやかな顔に

なった彼女は

最初に声をかけてくれた

女子のテ-ブルへと座った。


1人あたり

ドリンクバーと

700円以内の料理と言う

厳しい縛りを受けながら

レナも注文をしている。


その時、光がグラスを持って

立ち上がる姿が

レナの目に飛び込んできたので

彼女もドリンクバーへと

急いで近づいて行く。


スプライトを注いでいる

光にレナが近づき

『打ち上げに来たんだ?』と

少し照れながらの

笑顔で言うと


『お前が、来てって

LINEをしてきたんだろ?』と

呆れた口調で

光が答えた。


テレビ局に着いたレナは

今日、ゲットしたばかりの

光の連絡先に


『打ち上げに来て』と

LINEをしたのであった。


光から返信は来なかった、

だが生放送中に

既読になっていた。


それを確認したレナは

光は来てくれると

ふんでいたのであった。


彼女の帰りを

頼まれていた光は

生放送が終わるまで

お台場のジョイポリスで

時間を潰そうと考えていたが


レナからの

『打ち上げに来て』の

LINEを受けて


すぐにバンさんへ連絡をして

ピンチヒッターを頼んで

いたのであった。


自分のドリンクを入れ終わって

男軍団に戻ろうとしている光に

『打ち上げが終わった後に

2人きりになれない?』と

レナが頼んでいる。


突然のレナの申し出に

少しビックリした光だが

『分かった』と

答えて自分の席へと

戻って行く。


やがて盛り上がっていた

打ち上げは終了して

店の前で解散となる。


駐車場の裏に待機していた

光の元にレナが現れて

成城学園前駅に向かって

2人で並んで歩いて行く。


世田谷街道添いの歩道を

歩いている2人の距離は

50cmほど離れているが


お互いに何も喋らずに

光は前を向いて

レナは下を向いたまま

無言である。


沈黙に耐えかねた光が

『わざわざ、呼び出した

理由は何だ?』と

喋りだすと


『そうだったね』と

レナが自分で納得した後


『光君に聞きたかった事が

あったんだ』

そう言ったレナは

歩みを止める。


光も歩くのを止めて

レナを見ていると


『わたし、光君と同じ

小学校だったんだけど

覚えている?』


そう言われた光は

驚いた表情をしている。


その表情を見たレナは

察したように


『そうだよね?』

『覚えている訳ないか』と

目を閉じて笑った。


レナの話に対して

覚えていない事を

失礼だと思った光は


『ちょっと待てよ』

『お前、帰国子女だって

言っていただろ?』


『何年生の時だよ?』

必死に弁解するように

聞くと


『ゴメン、忘れて』と

言って、再びレナは

駅に向かって歩きだした。


『よくないよ、ちゃんと

教えてくれよ?』と

光は叫んでいたが


『この話は、もう

おしまい』と言って

光が何度聞いても

それ以降、レナは

その話をする事はなかった。


だが、レナの顔は

悲しそうではなく


むしろ清々しい表情にすら

見えていた。











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