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愛の告白

光の想定していた

最悪の展開だった。


BlackExpressが

自分だとバレる事はないと

思い込んでいたが


考えてみれば

マイク越しとはいえ

隣の席の人間と

毎日話しをしていれば

声で分かるだろうし


しかもバイクの

後部席で毎日

抱きしめる形で

至近距離でいれば

体型も自分である事は

一目瞭然だ。


動きが固まっている光を見て

レナも動揺している。


光本人が自分から

白状をした訳じゃない事


イコ-ル本人は

言いたくなかったのでは?


本人に言ってしまった後に

光の動揺している姿を見て

そう思ったのだ。


人間は驚き過ぎると

その前後に

何を言われたか

忘れてしまう


今の光が、その状態だ。


ショ-トした頭の中で

光が絞り出した言葉は


『よく聞き取れなかったから

もう一度、話してくれる?』

と言う言葉だった。


自分の聞き間違いだった


その、わすがな可能性に

かけてみたくなったのであった。


そう言われたレナは

『古橋君に聞きました』

『私のテレビ出演を

宣伝してくれた人が

早田君だと知りました』


『人と話すのが苦手で

クラスの女子と

上手く話せなかったけど』

『今回の件で、距離が縮まり

毎日楽しく学校に

行けています』


『本当にありがとうございます』

そう言われた光は

その場で昇天している。


『早田君?』


レナに呼ばれて

やっと、コッチの世界に

戻って来た光は


態度に示さないが

両腕を上げて

ガッツポ-ズをしたい

気分である。


良かった、バレていない。


平穏な学校生活を送れる。


そう感じた光は

申し訳なさそうにしている

レナの両肩に自分の手を置いて


『大悟さんくらい可愛いければ

もっと大活躍出来ると思うんだ』


『影ながら応援しているよ』

そう言って、レナを残して

屋上から去って行った。


今度はレナが固まって

しまっている。


光君に可愛いって言われた。


しかも肩を直接触られた上に

応援して貰った。


レナの数年に及ぶ努力が

実を結んだ瞬間であった。


喜びで、おそらく3分ほど

レナは、その場で

固まっていただろう?


授業の開始を知らせる

チャイムが鳴り

レナは現実世界に戻って来て

慌て教室へと戻る。


自分の席の隣は光であり

当然、そこに彼は座っていた。


レナが戻って来た事を認識した

光が微笑みかけてくるが

恥ずかしさで

目線を逸らしてしまう。


次の授業の準備を急いで

しているが

焦って上手く出来ないレナ


光君はテレビを見てくれていた。


しかも私を可愛いいと

言ってくれた。


その後一日中

レナは、その言葉を

はんすうして過ごしていたので

お昼や休み時間に

クラスの女子が話し掛けても

全て上の空であった。


その異変に光も

気付いていたが

さっきのバレたかもしれないと

思った恐怖が大きく


そのキッカケになるかもしれない

過度の接触は

避けて行こうと誓い

レナには話し掛けなかった

のである。


そして授業が終わり

待ち合わせ場所の公園に

レナが到着すると

バンさんが見ても分かるくらいに

レナが光り輝いて見える。


『レナさん、どうしたの?』


昨日、東名高速道路を

何百Kmも1人で運転して

疲れているバンさん、さえ

黙っていられないくらいの

レナのオ-ラに

BlackExpressに着替えた

光をつついて確認するが

『後で話します』と言って

とりあえず彼女を送る事を

優先させる光


気持ち、ここにあらず

そんな雰囲気のレナに

『動きだしますから

しっかり捕まっていて下さい』

少し声を変えた光が

声を掛けると


無言でライトの背中に

しがみつく形になり

腕にチカラを入れるレナ


それを合図に

CBRはエンジンをふかして

公園を後にした。


何も話さないレナに

光は何って声を掛けるべきか

悩んでいる。


明らかに屋上で自分に

テレビ出演を宣伝した件の

礼を言った後から

様子が、おかしい。


自分としては

バイクレ-スの件や

BlackExpressの件が

レナにバレていないなら

何も問題はない。


秘密漏洩リスクを考えて

テレビ局まで話しかけない


そんな日があっても

良いのでは

そう考えていた。


すると

『ライトさん、お話しても

良いですか?』と

レナが尋ねてくる。


『えぇ、大丈夫ですよ』

少し声を渋くして

光が応えると


『私、学校に

好きな人がいるんです』と

レナが恋愛事情を

話し始めた。


この前は憧れている人って

言ってなかったか?


光が、そう考えていたが

レナの話は続き


『その人に自分を

知って欲しくて

タレントにもなったし』


『テレビ出演も毎日

頑張っていました』


『その人は私がテレビに

出ている事なんて

知らないと思っていたんです』


『でも、実際は見てくれていたし』

『私のテレビ出演を

学校で広めてくれていた

影のヒ-ローだったんです』


レナが、そう話した時に

彼女は学校に好きな人が

いると言っていた


その言葉が強く思いだされる。


その話は別人の事だよな?


光は無言でレナの話を

聞いていると


『その好きな人に肩を掴まれて』

『可愛いって言われて

影ながら応援しているって

言われたんです』


『私、嬉しくて

死んじゃいそうになりました』


その愛の告白を聞いた光は

クラッチが滑って、

死んじゃいそうになって

いたのであった。











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