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〜悪女を華麗に救済するべく転生いたしました〜
豪華絢爛な王城で執り行われるのは王太子の誕生日パーティー…のはずだった。
「アマリアお義姉様…あんまりですわ…!!そんなにも私のことが憎かったのですか…!?」
「アマリア、君には失望したよ。」
白に近い美しい金髪に綺麗な空色の瞳。見目麗しい令嬢が大粒の涙を浮かべたその表情は誰もが守りたくなってしまうような儚げな魅力があった。
その令嬢に寄り添うのはこの国の王太子。美しい銀髪に夜空を思わず思い浮かべてしまうような紺色の瞳。普段は穏やかな表情を浮かべている王太子の表情は、今は燃えるような怒りそのもの。
その視線を一身に受けているのは公爵家の娘であり、王太子の婚約者であるはずの…この私、アマリア・フィレンタールだ。
そして、私のことを「アマリアお義姉様」と呼ぶこの令嬢は私の義妹でもあるカローラ・フィレンタール。
その義妹のカローラが何故私の婚約者であるはずの王太子の隣に居るのか、王太子も何故当たり前のように私ではなくカローラの隣に寄り添うように立っているのか。
何もかもに困惑して言葉を発することができずにいた。