17.助ける理由
――――キレイな草原、多くの自然の中を超え、今日も冒険に出る予定のはずだった。
「ルナ、まだ走るの?もう疲れたよ俺、」
「もしあの場で気づかれたらどうするのよ、とりあえず今日は帰るよ!!帰ってギルドに報告しないと、他の冒険者も危ない!」
森の中はゴロゴロと死体が転がっており、空には多くのカラスが飛び回っている。また、木々のいい匂いは全くしない。血の匂いだ。
「今見たら後ろくっついてきてるじゃん!何でこんなことになってるんだよ、、」
「考えるのはあと!あと少しで転移門だから。」
2人は急ぎ、転移門へと向かっていた。そんな2人の後ろにはダークナイトが追いかけできている。
「ファイヤーストーム!!!!」
「次はなんだ何だ!!!!」
「私、これ使った人知ってる!!まさか!」
ダークナイトは炎の竜巻に巻き込まれて、行動不可になっていた。竜巻が飛んできた方を見るとそこには、ギルドで働いているアヤの姿があった。
「ルナ、カイ、急いで!!!!あまり時間はないから!!」
「アヤ!!ありがとう!!おかげで助かったよ!」
「間に合ってよかったよ、2人とも怪我はない?」
「僕達は平気だよ!ありがとう。」
アヤの助けもあり2人は無事帰還したのだった。
「アヤ、でもどうしてここに?冒険はもう行きたくなかったんじゃないの?」
ルナはそうアヤに聞いた。その時アヤは笑いながらこう告げた。
「冒険には行きたくないのは確かだよ、だって目の前で殺されるとこをもう見たくないから、けど自分に助けられる力があるのに何もできないのはもっと嫌だから。あと、ここで見捨てたらあの子を裏切ることになりそうだからね。」
「アヤ……じゃあ私達も頑張らないと!!ねっ!カイ!!ってあれ?」
――――カイは姿を消したのだった。