16.予期せぬ出会い
――――この世界には多くの魔物が存在している。その中には簡単に倒すことのできる魔物も多くいる。がしかし、弱いのがいれば強い魔物も存在する。それは人間も同様だ。強い冒険者がいれば弱い者もいる。この世は弱肉強食だ。
「カイ、何ぼーっとしてるの?考え事?」
「ごめん、少しね。色々思うことがあるんだ。」
「らしくないね〜〜なんかあったらいいなよ?心配なんだから。」
「ありがとう。ルナは本当に優しいな。」
カイは悩んでいた。現国王であり同じく召喚者であるレイと話したのは3日前、自分がこの世界に召喚され、約1週間が経過していた。それだけの日数が経ったのにも関わらず、勇者として、国を救うために魔物と戦うのか。それとも今のまま呑気に異世界で過ごすのか。答えを出せていなかった。
「だってそんな辛そうな顔あんまり見たくないんだもん。さぁ気持ちを切り替えて今日の依頼を紹介します!」
「どんな依頼なんだ?俺でもちゃんと倒せる敵だよな?」
「ご安心あれ!!さぁ今回の依頼内容はこちら!街を出て少し歩いた先にある村にポイズンスライムが湧き出てくるみたいなの。だからそいつらを一掃しちゃおう!って任務だよ!」
「難易度も低そうだし大丈夫そうだね。じゃあ早速行こうか!!」
カイとルナはギルドを出て、転移門を使い、早速、町の外へと出ていた。
「あれ?今日雰囲気なんか怖くない?」
「きっと気のせいだと思うよ?でもこんなに静かなの久しぶりかも。」
バルーンウルフ討伐の時は動物などの鳴き声が聞こえていたが、今日は全く聞こえない。
「ねぇカイ?気のせいだと思いたいんだけど、凄い勢いでなんかこっち来てない?」
「確かに、なんか圧を感じるっていうか…」
その瞬間、ゴブリンの群れが走って大移動していた。まるで何かから逃げるように。」
「カイ、隠れて!早く!!」
「ルナどうしたの?」
「早く隠れて!死ぬよ!!」
カイとルナは木の裏にすぐ隠れた、ゴブリンの群れがいなくなった時の事だった。
ゴブリンを追いかけるよう、人型の魔物が追いかけいた。名をダークナイト奴らに見つかったら最後、確実にしとめるまで追いかけてくるそうだ。
「ルナあれってギルドで噂になっていた、敵?」
「そう。あれがダークナイト。魔王軍の幹部が操るって言われてるの。とりあえずもう行ったみたいだね、私達も動こうか。」
「そうだね。警戒はしておこう。」
――――――ギャァァァァァ!!
「今人の叫び声が、行ってみよう!」
カイとルナは叫び声の聞こえる方えと向かった。
「ここだ、とりあえずどうゆう状況か見てみよう。」
目の前に広がっていたのはあまりにも残酷な光景だった。
おそらく冒険者だろうと思われる人達の死体が転がっていた。そんな中にまだ1人生存者がいた。
「助けに行かないと、あの人死んじゃうんじゃ、」
「カイ、ダメだよ。1人な訳がないもん。多分だけどダークナイトがいる。行ったら私達も殺される。」
「でも……」
その時だった、ルナの予想が的中。ダークナイトが現れた。そして、冒険者の首を切り落としたのだった。それは一瞬の出来事だった。