15.秘密の対談会
――――――平和国家アレスの第25代目国王アストレイ彼はまっすぐな目をしており、炎のように熱く国民に愛される存在だ。そんな彼は15年前にカイと同じく日本から召喚されたのだった。
「だからか、街を回った時にビジネスホテルを知ってたり、ここに日本の歴史の本、漫画が置かれてるんだ!」
「そうそう、この事をやっと人に話せたよ。せっかくだからさ、王と勇者の関係じゃなくて友達みたいに、普通に会話とか遊んだりしないか?」
「そうですね!これも何かの縁だ!」
「で、さっきの質問の答えはどうなんだい?」
「それはですね〜〜」
カイとアストレイはまるで何年も会っていなかった友人と会ったような雰囲気になっていた。
「逆に僕も色々聞きたいんだけど、召喚されんだよね?なんで王様やってるの?」
「やっぱり気になるよな〜それはな、俺には魔物と戦う勇気がなかった事が一番大きいかな。あとは俺の所持スキル「キューブ」が理由だ。」
「キューブ?ってどんなスキルなんですか?」
「そうだな、説明は少しむずいんだが、簡単に言えば俺はこのキューブを使う事で、結界を張る事ができるんだ。戦闘では相手の魔法のコピー、弱点のサーチなどもできるスキルだよ。」
「めっちゃ強いじゃん!!でもそれがどうやって関係してるの?」
「それは俺がこの国に魔物が入らないよう結界を張っているからだと思う。先代の王は死ぬ前に俺に国を託し亡くなった。だからなんで俺に国を任せたか理由を知らないんだ。」
この話を聞いてから少しの沈黙が訪れた。そしてカイは申し訳そうにしていた。
「そっか、なんかごめん。」
「俺こそすまん。そうだ、話は変わるんだが、実はこの「アストレイ」って本名じゃないんだ。」
「えっ?確かに日本人っぽくない名前だけど、ちなみに本名ってなんていうの?」
「俺の本当の、名前はレイだ。アストレイってのはゲームで使ってたユーザーネームだよ。」
「ユーザーネームってなんか久しぶりに聞いた気がする!懐かしいな、、あっ今日のことは秘密だよな?」
「うん、よろしく頼むよ。カイ、」
「任せて!口は硬いから!レイ、これからもよろしく!!」