14.アストレイの秘密
―――ルナとギルドで解散したカイ、その後城で借りている自分の部屋へと帰宅した。
「そういえばここ2日色々あってのんびり出来なかったな、この部屋もあんまり見れてないし、ちょっと見てみるか〜」
カイが借りた部屋は1人で暮らすには大きすぎる部屋で、机、ベットなどはもちろん、本がたくさん入っている本棚。などの家具が備え付けられていた。また部屋の中にはお風呂も完備されている。
「うん、すごい。ご飯もめちゃくちゃ美味しいし、これは本当にビジネスホテル以上だわ…」
当たり前のように部屋を見て語彙力がなくなっていた。以前カイが住んでいた部屋は、ベッド、テレビ、棚を置いたら何も置けなくなるくらい部屋が狭かった。しかし現在では、1人では寂しいくらいの広い部屋だったのだ。
「ちなみにどんな本が置いてあるのかな?この国の昔話と書かれてたら面白そうだな。ってあれ?これって」
本を、取り出し、読もうとしたのは日本の歴史の本だった。カイは少し焦り他の本を見てみた。その結果、他にも「ゲームの攻略本」「桃太郎」そして数多くの漫画が置かれていた。
「いや、どゆこと?ここ異世界。なんで日本の本たちがあるんだ?うん。意味わからん。まぁ、数少ない娯楽になるかもだからよし!」
その時、部屋のドアをノックする音が聞こえ部屋を出た。外には白い服で身を包んだ少年がいた。
「カイ様、アストレイ様がこちらへと本日ここへ行くと言っているのですがよろしいでしょうか?」
「本当ですか!ちょうど色々聞きたかったんですよ!全然大丈夫ですよ。何時くらいに来られますか?」
「いや、それがもういます。アストレイ様、透明化で隠れないでください。」
「バレてたか、つまらん…おつかれカイ、急にごめんな。」
少年の後ろには誰もいなかったはずなのに突如アストレイがひょこっと現れたのだ。
「お疲れ様です!大丈夫ですよ!っていつから居たんですか!!」
「ごめんなさい。うちの王はイタズラ好きのわがままなんですよ、そういえば名乗ってませんね。私はクリムだ。よろしく。」
「よろしくお願いします。」
「じゃあクリムは帰っても大丈夫。また帰る時に連絡するからよろしく〜」
「えっ僕もう用無しですか!全くしょうがないですねーわかりました。すいません短い時間ですが、この人の事よろしくお願いします。では失礼します。」
その後クリムが帰っていき、カイはアストレイと2人きりとなった。
「さぁカイ私は気になることが数多くあるのだよ。」
「はい、一体なんでしょうか…」
その一言でおふざけ雰囲気がガラッと変わりカイは少し緊張していた。
「今の日本ってどこまで発展したんだ?車は空を飛べるようになったか?多分あれだろ?テレビとかの画面から色んなのが飛び出したりするんじゃないか?」
突如アストレイの爆弾発言によりカイの脳は処理が追いつかず、理解ができなかった。なんでこの人が日本の事を知っているのか。しかし、その発言によりカイの緊張が一気に解けたのだった。
「おい、そんなキョトンとしないでくれよ〜ってそれもそうだな。話してなかったもんな。秘密にしてて悪いな、俺は約15年前カイと同じく日本から召喚されたんだ。」