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第8話 タラスの街

「こ、これは…。驚いた…」

 ストレージから出したダイアウルフに討伐で集められた兵士や、ギルドマスターのライアンは驚いている。

「デカいな」

「初めて見たよ、ダイアウルフなんて」

 全長2mはある巨体と群青色の綺麗な毛並み。


「しかし、どうやって倒したんだ?」

「特に外傷もないが…」

 外傷がないことに人々が不思議がる。

「しかし見事なものだよ」

「ありがとうございます。ではギルドで買取って頂けますか?」

「勿論だ」

「よかった」

 私はそう言うとストレージに再びダイアウルフを収納する。

 いつまでも出しておけないしね。


「では依頼完了の報告もあるし一度、冒険者ギルドに行きましょうか」

「はい、パウロさん」

「まて、私も一緒に行こう」

 そうライアンさんに言われ私とパウロさん、冒険者のサルバさん、ロドルフさんの5人でギルドに向って歩く。

 討伐隊で集められた人々も解散していく。


 身分証が無い私は入場料を支払う必要があるけど、お金がない私はパウロさんに出してもらった。

 ちなみに入場料は500円だった。


 城門を潜り街中に入ると中世ヨーロッパのような建物。

 そこはまるでグリム童話の世界へ、タイムスリップしたかのような『おとぎの空間』だった。


「どうですタラスの街は。華やかでしょう」

 私がキョロキョロしているとパウロさんが話しかけて来た。

「えぇ。見ているだけで飽きそうもありません」

「そうでしょう、そうでしょう」

 田舎から出てきたと言ったから、私が『おのぼりさん』に見えたのかしら。

 私からすればこの街は古い街並みにしか見えない。

 それがいいところだなんて言えないから。


 しばらく歩くと二階建ての大きな建物の前でとまった。

「ようこそ冒険者ギルドへ」

 そうライアンさんに言われ建物の中に入る。

 スイングドアを開け中に入るとたくさんの冒険者が集まっていた。


「ライアンさん。ダイアウルフの討伐は決まりましたか?」

「あ、いや」

「そうですよね、突然召集を受けてもすぐに人は集まりませんよね」

 冒険者に囲まれライアンさんは質問攻めにあっている。


「そうではなく、討伐は終っているのだ」

「おい!サルバにロドルフじゃないか?!生きていたのか、お前達」

「あぁ、なんとかな」

「でも逃げ帰った奴らの話では、お前達は死んだと…」

「奴らは戦う前に職場放棄して逃げ帰ったのさ。今、詰め所で拘束され尋問を受けている頃さ」

「そうか、しかし凄いなお前達。二人だけでダイアウルフを倒すなんて」

「そうだぞ、一個中隊でも倒せない魔物だそうだからな」

 また勘違いされている。


「倒したのは俺達じゃないんだ。ここにいるレナさんだ」

 すると一斉に私に視線が集まる。

「どうも、テヘロ」


「「「 えぇ~~~!! 」」」


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